Amazonレビューは、買った人が書いたとは限らないから内容がお粗末なものが多いとされるが、そうとは限らないという話。
きっかけは、kinchanさんの、『いち在日朝鮮人kinchanのかなり不定期更新日記』「Amazonでベストセラー? 『在日通名大全』 — 差別のための労力と屁理屈」(2022年9月18日)である。
Amazon限定で発売されている、宮本洋一さんの『在日通名大全』が人気だという。その単行本版は、2022年9月22日時点で、人名事典のカテゴリーでベストセラー1位とのこと。
そのレビューで面白いものを見つけた。amazoooさんの星5つレビュー「Amazonでしか入手できません」
https://www.amazon.co.jp/review/R2QF97LY4BMXCT/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4908348111
である。本来は「全文引用」はあり得ないが、検討のため全文引用してみる。
「Amazonで購入」が付いたレビューが概ね肯定的な評価なのに対し、買ってもいない人たちのレビューが全て否定的なのはどうしてだろ~
たしかにその通りで、肯定的レビューの星5つの9本中8本が、星4つの2本中2本が「Amazonで購入」の文字がある。
一方、批判的レビューは、星3つの2本中1本、星2つの1本中1本、筆者含め星1つの9本中0本に「Amazonで購入」の文字がない*1。
版元の示現舎ホームページにも『在日通名大全』の案内があり*2、「こちらから」をクリックすると、Amazonのサイトにアクセスできるので、少なくとも単行本はAmazon限定とし、電子書籍も未調査ながらAmazon限定として以下話を進めると*3、amazoooさんのレビューはなかなか鋭い。
ただ、『在日通名大全』の場合、以前筆者が聞いたことがある、(Amazonは購入者でなくてもレビューが書けるのでロクなものがない*4)という一般論は当てはまらず、購入していいない人のレビューの方がおそらく妥当であると考える。以下、筆者の検討を補足する。なお、筆者のAmazonレビューは、「『関係改善』より あらぬ方向へ?」
https://www.amazon.co.jp/review/R39D22HIE9VAV3/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=B09Z6G266H
である。
とあるが、その一方で「通名一覧」とあり、推定人数と帰化人数が書かれている。
筆者は『在日通名大全』を全部読破していないので、姓のみを扱っているのか、フルネームを扱っているのかわからないが、どちらにしても、在日コリア人*5とそうでない人の区別がつかない場合もある。
普通に歴史教育を中等教育で受けると見落とすかもしれないが、現在の日本国は、1923年に起こった関東大震災で、朝鮮人の暴動という流言蜚語を元に朝鮮人を探し出し虐殺した人がいるという歴史がある。その時は朝鮮人と間違えられて殺された日本人もいる。『在日通名大全』を下手に読んで、(コイツ在日だな)と思われて殺されるということが起こり得るので、『在日通名大全』は極めて有害な本であると筆者は思っている。
筆者のレビューのみならず、肯定的レビューと批判的レビューを見比べてほしいが、批判的レビューの方により妥当なものが多いと思ってほしいのである。そして、『在日通名大全』を買わないようにお願いするとともに、Amazonジャパンは『在日通名大全』の発売を取り止めるべきである。