清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

竹島って 日本領土じゃ なかったの?(尖閣は 死守で2島は ぜひ返還?(2))

 筆者は、高崎宗司さんの『植民地朝鮮の日本人』(岩波新書、2002)を読んだ。今の日本を考えるうえで有益な本なので、ぜひご一読を。

 

 その『植民地朝鮮の日本人』につき、筆者はAmazon上でレビューを寄稿したが(タイトルは「文献豊富 知識信用 営み不変」。

https://www.amazon.co.jp/review/R2UKXVZPVP5IJ5/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8 )、そこで筆者は以下のように書いた。

 

 本書*1pp.78-79によると、「韓国政府は、1900年10月(漢数字をアラビア数字に改めた)に出した勅令で、鬱陵島を『鬱島』と解消し、鬱島軍の地域に石島すなわち独島(日本で言う竹島)を含めると定めた」という。一方、『国際法【第5版】』(有斐閣Sシリーズ、2007)p.122によると、「1905年、日本政府はこれを島根県の所管に入れることを決定し」とある。これらからは、「先占」(『国際法【第5版】』p.117)は大韓帝国となり、「朝鮮に対するすべての権利」(日本国との平和条約第2条(a))を放棄することとなるので、日本の領土でなくなるように読めるが、実際はどうなのだろう?

と書いた。筆者の判断が正しいとすると、「尖閣は 死守で2島は ぜひ返還?」

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

で書いた、「「追認境界」(『もういちど読む山川地理』)を前提とすると、竹島大韓民国領」という話より深刻かもしれない。

 

 『植民地朝鮮の日本人』みたいな問題意識は、決して突飛ではない。それどころか、以下に紹介するサイトの内容は、日本人であれば誰でも驚くだろう。そのサイトは、版元ドットコム「竹島尖閣諸島も『日本固有の領土』とは言えない」(2015年10月28日。第三書館・北川明)である。

www.hanmoto.com

 

 以下、引用する。

 同じようなことが、竹島についても起こっている。1年前の2014年5月、われらが安倍政権は、竹島日米安保条約の適用外だと正式に表明しているのだ。(朝日新聞デジタル2014年5月13日付)米国は竹島を日本の為に守ることはない。米韓相互防衛条約によって、韓国の為に守るというのである。もし自衛隊竹島を”奪回”しようとすると、韓国軍と米軍に排除されてしまうというのが安倍政権そのものの正式見解である。

(中略)

 日本は日清戦争の最中に台湾との間にあった尖閣諸島を領有化宣言した。日露戦争の最中に韓国との間にあった竹島を領有化宣言した。そして、その後間もなく両戦争に勝利して朝鮮半島と台湾を自国化・併合した。しかし、1945年の敗戦で朝鮮半島と台湾を手放した。手放すはずが手放されずに 宙ぶらりんになったのが尖閣竹島なのだ。

(中略)

 竹島朝鮮半島と日本列島の間にあったから、古来その存在は公知のものだった。明治になってから「発見」されたとは言い難い*2。20世紀になってから、日本政府があたかも新発見の島のように領有化宣言したのはムリがあった。 

 

 尖閣諸島についての本だが、竹島(独島。以下においては記述しない)についてもびっくりさせられた。エントリー時点で朝日新聞デジタル等の検証はしていないが、本当だったら驚きで、だから日本国は竹島を奪還しないわけだ、と納得してしまった。なお、最終段落は筆者のAmazonレビューと矛盾がない。

 

 以下、筆者が反省するに、『「日韓」のモヤモヤと大学生の私』(加藤圭木・監修、一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール・著、大月書店、2021)にもある、竹島についての韓国の見解を復習しないといけない。そして読者も、日本政府の見解を鵜呑みにせず、自分で調べた方が良さそうだ。

 

 なお、日本政府の竹島に関する見解は、外務省HP「日本の領土をめぐる情勢 竹島」をご一読あれ。

www.mofa.go.jp

 

 

*1:『植民地朝鮮の日本人』のこと。

*2:後述の日本政府の見解と矛盾する。