ツイッターサーフィンをしているとたまにトンデモなツイートを見つける。誰が言ったか「バカッター発見器」。けだし名言である。
今回紹介するトンデモツイートは、こちら。
一器高虎(@mikawa70)さんの2020年9月12日11時48分のツイート。
だからね外国人から見ればそんなものだと認めているでしょ。
— 一器高虎 (@mikawa70) 2020年9月12日
アジア人から見ればetc
ヨーロッパ人から見ればetc
アメリカ人から見ればetc
じゃあね最初に戻るけれど韓国が共産主義ではない根拠を示してくれよ。
ただ、ツイートなら(そういう人もいるなぁ)で終わりなのだろうが、上記ツイートを放っておかなかったのは、韓国を共産主義(正確に言えば「人民共和国」。後述のように共産主義とは限らないが)とする本があるからである。
それは、室谷克実さんの『韓国のデマ戦法』(産経新聞出版、2020)である。
韓国のデマ戦法 (産経セレクト) | 室谷克実 |本 | 通販 | Amazon
にある「主な目次」を見ると、
第1章 大韓人民共和国への歩み
(略)
終 章 「大韓人民共和国」の人民は幸せか
とのこと。
「韓国を共産主義(略)とする本」が筆者の思い込みでないのは、以下のアマゾンレビューを引用すればいいだろう。
日本のマスコミが伝えない「韓国国内での赤化政策」が(前後略)
(Amazon Customer「国民の必読書です」
https://www.amazon.co.jp/review/R388GHDJC1QQ01/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4819113852
)
日本のマスコミが、文大統領が共産主義者で、警察を左翼政権の私兵とし、人民共和国とする教育政策を推し進めている事実
https://www.amazon.co.jp/review/R1I25P6SY69MBK/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4819113852 )
「私有財産制を廃止」(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説)、「財産の私有を否定し」(デジタル大辞泉の解説)など、私有財産の否定が本質の一つである。
それでは韓国は共産主義なのか?そうではないのは簡単にわかる。現在の大韓民国憲法は第六共和国憲法だが、その第23条1項には「すべての国民の財産権は、保障される」(『世界憲法集[新版]』(高橋和之・編、岩波文庫、2007)p340)とあるので、韓国は共産主義ではない。
ツイートレベルであれば「ぷっ」で済むかもしれないが、国立国会図書館に納められる本が韓国を共産主義としてはダメだなぁ。こういうのが大してチェックもされずに出版されてしまう日本の現状を憂えるべきだろう。
なお、先ほど「人民共和国」と表記したが、朝鮮半島には、一時期、朝鮮人民共和国(×朝鮮民主主義人民共和国。DPRK(2021年2月19日訂正))というのが存在した。筆者は『アメリカ侵略全史 第2次大戦後の米軍・CIAによる軍事介入・政治工作・テロ・暗殺』(ウィリアム・ブルム、作品社、2018)で知ったが、コトバンクにも載っていたので紹介する。