最近のメディア状況で筆者の目につくのは、「野党がだらしない」という類のコメント。今日(2020年9月13日)8時から放送の、TBSテレビ「サンデーモーニング」でも、コメンテーターの、ハフィントンポスト日本版の竹下隆一郎さんが、「野党が情けない」という趣旨の発言をしていた。
しかし、筆者の知る限り、「だらしない」だとか、「情けない」根拠を示したのは、皆無。議席がないは事実だが、それ以上ではない。与党が数を頼んで法律案を通しても、それは野党が悪いわけではない(個別に吟味しないといけない)。
それにしても、恒常的に「野党がだらしない」キャンペーンをやられると、野党の人もそう思ってしまうものらしい(学習性無力感みたい。もっとも、以下に取り上げる人が謙虚だという解釈も可能)。そのことを、上西充子さんの2020年9月12日9時30分から配信された一連のツイートで知った。最初のツイートのみ取り上げる。
小川淳也議員、何をもって「ふがいない」と言っているのかを見れば、「選択肢を示せなかった野党のふがいなさ」と。
— 上西充子 (@mu0283) 2020年9月12日
であれば、単に「選択肢を示せなかった」と言えばいい。「ふがいない」と形容詞をつけて語ってしまうと、そのマイナスの言葉が独り歩きする。そういう影響に気をつけてほしい。 https://t.co/77rZGsXlwE
そう、「独り歩きする」(上西充子さんの上記ツイートより)から安易にネガティブな言葉を用いてはいけないのだ。それは野党の人もそうだし、メディアでコメントをする人もそうだ。
したがって、メディア関係者、ならびに読者の皆様は、特に、根拠のないネガティブな評価は避けてもらいたい。そうでないと、日本の政治の現実が見えなくなってしまう。