あらかじめ断っておくが、筆者はロシアのウクライナ侵攻を何ら支持するものではない。
それでは本題。筆者の本棚に『要説世界史』(木村靖二ら、山川出版社、2013)があった。それによると、
アメリカは、イラクの武力が平和の脅威になるとして、イギリスとともに攻撃を加え、2003年フセイン政権を崩壊させた(イラク戦争*1)
とある。
あれ、「欧米の 人のみ死んじゃ いけないよ」
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
と同じ出だし。もちろん理由がある。
そう、アメリカとイギリスが、当時のサダム・フセイン政権を崩壊させるためにイラクに武力行使したのがイラク戦争であることにつき、コトバンク「イラク戦争」をもご一読。
「反戦デモが広がるなか」*1とあるが、当時反戦デモがあったかは、記憶していない。それはさておき、多くの国の反対があったイラク戦争をどう根拠づけるかは難しい。日本においても、第204国会において、衆議院議員の江田憲司さん*2が質問している。
日本は「国連安保理決議678」*3を根拠としているが、これに賛成する国は少なそうである。そして、ウラジミール・プーチンさんも言及している。NHK NEWS WEB「【演説全文】ウクライナ侵攻直前 プーチン大統領は何を語った?」(2022年3月4日18時25分)をご一読。
筆者は国際法に関しては不勉強なので根拠が薄弱なのを承知で書くが、あの時に、ジョージ・W・ブッシュさんと、トニー・ブレアさんに何らかの制裁がなかったことが悔やまれるものである。
それに比べたら、NHK NEWS WEBに載っているプーチンさんの演説にある
ドンバスの人民共和国はロシアに助けを求めてきた。
これを受け、国連憲章第7章51条*4と、ロシア安全保障会議の承認に基づき、また、本年2月22日に連邦議会が批准した、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国との友好および協力に関する条約を履行するため、特別な軍事作戦を実施する決定を下した
は、それなりの根拠を示しているように見えるが、気のせいか。もちろん、実態があれば、の話で、「後になって、それはすべて、デマであり、はったりであることが判明した」*5となるのかもしれないが。
*1:コトバンク「イラク戦争」の「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説。
*2:第204国会当時は立憲民主党議員。江田けんじHP「プロフィール 経歴と実績」参照。
http://www.eda-k.net/profile/career.html
*3:衆議院HP「質問本文情報 令和3年3月5日提出 質問第67号 大義なきイラク戦争の総括に関する質問主意書」から引用。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a204067.htm
なお、漢数字をアラビア数字の半角に改めた。
*4:集団的自衛権を根拠づける。ロシアに限ってだが、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を承認している。