あらかじめ断っておくが、筆者はロシアのウクライナ侵攻を何ら支持するものではない。
それでは本題。筆者の本棚に『要説世界史』(木村靖二ら、山川出版社、2013)があった。それによると、
アメリカは、イラクの武力が平和の脅威になるとして、イギリスとともに攻撃を加え、2003年フセイン政権を崩壊させた(イラク戦争*1)
とある。
今のロシアに似ているな。ウクライナのウォロディミル・ゼリンスキー大統領政権を崩壊させようとしているわけだから。
現在のロシアには厳しい批判が集まり、世界各地でウクライナの味方をする人が多い。それはいいのだが、アメリカやイギリスの武力行使の時に反対運動が盛り上がったという記憶はない。どちらも政権を崩壊させるために武力行使をしたというのに。
おそらくは、とりわけ欧米の人は、欧米が大事であって、イラク国民はどうでもいいということなのだろう*2。そうでない人は、欧米に追い付きたいために、イラクの時はどうでもよくウクライナの時に反対を叫んでいるのだろうか。人類みな兄弟のはずなのに*3。
筆者は現在行われているロシアの侵攻を何ら支持しない。従ってロシア軍の速やかな撤退を求める。しかし、欧米の人の人命が大事で、それ以外の人はどうでもいいということも垣間見えるので、スッキリしない。
最後に、匿名ではあるが、筆者の気持ちに合うツイートを。阿形さんの、2022年2月28日11時23分のツイート。「シリア」は、おそらくロシアが支援したバッシャール・ハーフィズ・アル=アサド政権のことと思われ、その点を高く評価してリンクを貼る(追記。「イラン」は「イラク」の誤記と思われる)。
大量破壊兵器を持ってるとイランに大規模攻撃を仕掛け、イランの一般市民何十万人を殺戮した米大統領ブッシュに、独裁者とかヒットラーとかあの時言ったか?
— 阿形 (@VnRaPBh2I2AnUdE) 2022年2月28日
アフガン、シリア、リビア…
同じ事してもアメリカは善、アメリカの敵は悪のダブスタ。
世界はアメリカ親分の言う通りは馬鹿と気付くべき。
(追記)國本依伸弁護士の、2022年3月1日19時54分のツイートも貼っておこう。「アサド・シリア」を取り上げているのがいいが、アメリカやイギリスのイラク戦争がないのがイマイチか。
どうしてウクライナだけこんなに大きく取り上げられるんだと言いたくなる気持ちは分かるけど、プーチン・ロシアもアサド・シリアも、ミャンマー軍事政権のロヒンギャ虐殺もイスラエルによるパレスチナ迫害もどれも人道上許されないって言い続けましょうよ。
— 國本依伸 (@yorinobu2) 2022年3月1日