1.筆者は「プレバト!!」（MBS。TBS系列全国ネット。2021年8月5日放送分はTVerにアップされているようで（同日の番組内で告知）、おそらく今後は見逃し配信があると思われる）を毎週観ており、俳句の才能査定もチェックしている。というわけでちょっとは季語にも敏感になっている。
8月6日は広島原爆忌、8月9日は長崎原爆忌で、「原爆忌」は季語である。goo Wikipedia「原爆忌」をご覧あれ。
https://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E5%8E%9F%E7%88%86%E5%BF%8C
ところで、筆者は原爆忌が苦手である。
もちろん、核兵器の悲惨さは、頭では理解している（現在生きている大多数の日本人だって被爆しているわけではない）。
しかし、悲惨なのは、核兵器でやられたときだけなのか?戦争に使われればどんな兵器でも悲惨なのではないだろうか。
ここで喜納昌吉さんを出したら本人が怒るだろうが、あえて出すと、喜納さんのアルバムに「すべての武器を楽器に」というのがある。SpotifyのWeb Playerから。
SpotifyのWeb Playerを出すことで許してもらうこととして、肝心なのは「すべての武器を楽器に」ということではないだろうか、と思うのである。つまり、武器全部の否定である。
2.ところで、なぜ原子爆弾が落とされたか。落とした方が悪いと思いたいがそれはまたの機会として（当時の国際法について未調査だから）、筆者の知っている限りの歴史の知識では、ポツダム宣言の「黙殺」があったからである。
日本人としては、なぜ原子爆弾を落とすことを防げなかったのか、なぜ敗戦濃厚なのに既存体制を変えようとしなかったのか（ムッソリーニは罷免され、ヒトラーは反乱を起こされた。コトバンク「ムッソリーニ」（
）、同「ヒトラー」（
https://kotobank.jp/word/%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%BC-120389
）をご一読）をも考察した方がいいと思う。
3. ところで、Twitterサーフィンをしていると、はだしのゲン/中沢啓治bot（@genhiroshima）なるアカウントの以下のツイートを見つけた。2021年7月31日20時29分のツイート。
日本も中国や朝鮮、東南アジアで残虐のかぎりを尽くしていて、それらの国々のなかには、「その報復としてヒロシマがあるのだ」と受けとめている人々もいるのです。私たちは、戦争を語るとき、どうしても被害体験の方に目が向きがちですが、加害の歴史をもしっかり学ぶ必要があります。(中沢啓治)
— はだしのゲン/中沢啓治bot (@genhiroshima) 2021年7月31日
また、論座「8月6日の『原爆の日』に、五輪選手に黙とうを呼びかけることへの私の違和感 被爆者の体験を伝えてきた一人の人間として」（乗松聡子（国際平和博物館ネットワーク共同コーディネーター）、2021年8月3日）も目を引いたのでリンクを貼っておく。
論座によると、
私は通算25年間カナダに住んでいるが、高校留学した際には「日本人なら広島・長崎の体験を伝えることが大事」という感覚を持っていた。しかし、留学先で日本とそれ以外の国での戦争の記憶のとらえ方の違いに直面した。フィリピン、シンガポール、インドネシアなどの友人たちから、戦争中の日本軍の残虐行為について聞かされたのだ。
日本の学校で全く教わっていなかったこともあり大変なショックだった。当時の自分の戦争についての理解は、日本が受けた被害に限定されており、大変浅く偏ったものであったことを突きつけられたのである。
日本は開国以来、欧米列強に追いつくべく、強大な武力をもって植民地支配と侵略戦争でアジア太平洋全域に帝国を拡大した。広島や長崎を含む日本の空襲被害は、帝国滅亡の最終段階で米国が行った民間人の大量虐殺であり、その犯罪性は疑問を差し挟む余地もない。
しかし、海外で原爆展を行い、アジアや欧米の友人たちと歴史を語るにつけ、日本人が広島・長崎や空襲を語るときは、原爆に至るまでに日本が70年余にわたりアジアの同胞に対し残酷な支配・強制動員・殺戮を行ったことや、連合軍捕虜を虐待した歴史を念頭に置かなければいけないと思うようになった*1
どちらも、加害の歴史を直視すべきという内容であり、はだしのゲン/中沢啓治botの方は加えてヒロシマのとらえ方も一様ではないということを記している。
少々唐突感があるが、以前物議をかもしたBTSのメンバーが着たTシャツも、上記のツイートや記事を頭に入れたうえで理解すればよく、抗議の電話や批判の方が迷惑である。
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
でも取り上げたが、Tシャツの画像がより明確なので、『事実を整える』「防弾少年団（BTS）の原爆Tシャツはなぜダメなのか？韓国の光復節の意味」（2018年11月9日）のリンクを貼り、かつ検討する。なお、筆者は『事実を整える』の見解に賛成するものではない。
「防弾少年団（BTS）の原爆Tシャツはなぜダメなのか？韓国の光復節の意味」にあるTシャツの画像になんて書いてあるかを記す。
PATRIOTISM OURHISTORY LIBERATION KOREA
加害の歴史をしっかり学んでいる日本人であれば絶対に怒ることのできない内容である。現在はBTSを日本のテレビで観られるが、一時期Tシャツが原因で日本のテレビに出られなかったことは、BTSではなく、日本の汚点である。
4．以上、原爆忌について書いてみたが、単に原子爆弾が悲惨だというだけではだめで、もっと視野を広げた方がいいというのが筆者の結論である。
