YOMIURI ONLINE「「無人授業」中止の仮処分」(2009年12月1日取得。 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20091201-OYT8T00412.htm)
によると、「生徒がいない教室で模擬授業研修をさせられるなどしたとして、私立昌平高校(埼玉県杉戸町)の国語教師今村寛さん(50)が、同校を経営する学校法人「昌平学園」を相手取って研修やパワハラなどの中止を求めた仮処分申し立てで、さいたま地裁越谷支部の佐藤美穂裁判官は30日、研修の中止を決定した」という。
上記YOMIURI ONLINEによると、そもそもは、「専門科目の学力や生徒による授業評価が平均点に達していないとして、授業を外れて特別研修を受けるように命じられた」ことが発端という。
一方、東京新聞「【埼玉】『無人授業やりたくない』 昌平高校のパワハラ問題 中止決定喜ぶ教諭」(2009年12月1日取得。http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20091201/CK2009120102000090.html)
によると、昌平学園「は二〇〇七年度から大手学習塾「栄光ゼミナール」が経営に参画。国語を担当する今村教諭が授業力テストなどで一定水準に達しなかった」ことが無人授業などの研修につながったという。
この問題、そんなに簡単ではない。理由は以下の通り。
第1に、「専門科目の学力」(上記YOMIURI ONLINE)がダメなのは、先生のせいだけとは言えないところがあるからである。生徒が勉強しないのが悪い可能性があるからである。和田秀樹さんの『受験は要領』シリーズの信奉者であった私としては、古文・漢文一夜漬けで、ダメならしょうがない(それでも何とかなるかは保証しないが。なお、現代文もノートを見返すぐらいで、暇な時の読書は結構大事)でいいと思っているので、なぜそこまでこだわるのかがわからない(一方、英語と数学が出来ないのでは絶対に次のステップに進めない)。
第2に、「生徒による授業評価」(上記YOMIURI ONLINE)をどこまで考慮すべきかが難しいからである。皆さんもご存知だろうが、某サイトでブックレビューをして思ったのは、評価をしたほうが真剣に読むということである。このことからすると、授業評価はいいのだが、生徒の評価が未熟な場合があるのは避けられないだろう。
第3に、「大手学習塾」(上記東京新聞)の経営参画がいいかが難しいからである。一般論として学力向上が大事なことは否定しない。しかし、塾のように点数だけを伸ばすのが正規の過程でやることかは考慮の余地があろう。
なお、報道を見た限りでは、無人授業にもそれなりの根拠があるらしい(別の動機(例えば、先生は生意気だ、など)があって無人授業をしたわけではないらしい)ので、不適切承知で書くと、当事者でない私はほっとしている。