清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

妄想で 提言しちゃった 世平研

読売新聞東京本社版2012年4月10日朝刊13版2面「大学定員 大幅削減を」によると、「『世界平和研究所』(中略)は9日、入学定員の大幅削減」などの提言をしたという(「大学改革試案最終版」(http://www.iips.org/pdf/univ_reform_full2012.pdf )参照)。

「大学改革試案最終版」を読んでみると、1ページから、根拠不明の妄想のオン・パレードである(「高等教育の著しい低迷・凋落ぶり」、「教員の質の著しい低下」などの根拠は?)。

バカバカしいので取り上げないのが賢者だが、私はそうでないので、見捨てることができない点を挙げる。

「徹底した大学の選択と集中である。日本の大学進学率は高等教育への需要増加を背景に、現在では半分を超えている。大学は全国で粗製乱造され、現在では短大まで含めると 1000 校を超えている。今なすべきことは大学の淘汰を進め、差別化を徹底し」と、「入学定員の大胆な削減」の根拠、実は、ない。逆に、進学率が決して高くないということには、根拠がある。『世界の国 1位と最下位』(眞純平、岩波ジュニア新書、2010)、『習慣病」になったニッポンの大学―18歳主義・卒業主義・親負担主義からの解放』(矢野 眞和、日本図書センター、2011)をご一読。

「任期制を導入」は一案だが、長期的スパンでの研究がしにくくなる恐れがあることぐらい、本を読むまでもなくわかろう。

「9 月入学を前提に、入学試験合格から入学までの間のギャップイヤーないしギャップタームにおいて、社会奉仕活動に従事」は、おそらく確実に社会を混乱させる。9月から2月までの極端な人手不足ぐらい、これも誰でも予想可能である。むしろ、「就職活動の禁止」というより、新卒採用という差別を禁止すべきだろう(「不必要に長時間をかける就職活動は原則的に禁止とはあるけど。もっとも、新卒採用のメリットも承知はしているが)。

ざっと見ただけなので見落としているかもしれないが、英語教育の充実(「英語で外国人に理解させ」とあるが。ただ、世界の大学ランキングの上位は、以上に英米系が多い印象がある。これは、英語が影響している可能性がある)と(中等教育以降の)習得主義(ただ、これも混乱を引き起こす可能性がある。苅谷剛彦さんの説と記憶しているが、どの本かは忘れた)が、まずはやってみたい改革である。