清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

元少年 Aは更生 正しいよ

先日、某図書館に、雑誌「サイゾー」2015年11月号が置いてあったので読んだところ、河合幹雄(以下も敬称略。また「河合」と表記)の「法痴国家ニッポン 第37回 元酒鬼薔薇聖斗(以下、「元少年A」と表記。筆者補足)から考える「更生」とは何なのか」が面白かったので、以下、引用しつつ紹介する。

 
元少年Aは、ホームページを開設したり、有料メールマガジンを配信していると聞くが、犯罪をしているという話は聞かない。河合は「更生」(p99)を「『再販させないこと』」(同)と定義し、元少年Aは更生していると結論づけているが(文章構成は「サイゾー」2015年11月号を一読されたし)が、筆者も同感である。何も犯罪をしていないのだから、被害者でもない大多数の市民がとやかく言う問題ではない。被害者が懸念を表明するのは自由だが、他の利益等も考えるべきである。
 
河合の文章は、犯罪者の更生についての情報も興味深かった。以下、引用する。
 
①「犯罪者の更生において、何がもっとも必要か(略)安定した収入に支えられた生活なのです」(p98)
 
②「出所者のうち立派に立ち直って社会復帰できる者は全体の1割程度といわれていますが、彼らの更生に至る経緯は、『就職→結婚→子どもの誕生』というパターン以外はほとんど見られない。要するに犯罪者の更生は、仕事なくしてはほぼあり得ないということです」(p98)
 
③「仮釈放こそが更生を成功へ導く"王道”であり、逆に満期釈放は"失敗”コースである」(p99)
 
④「仮釈放は、出所後の就職先の斡旋や保護司のサポートが受けられるからです」(p98)
 
⑤懲役は、「統計上、長く入れるほど更生が困難になり、再犯しやすくなる」(p99)
 
⑥「監視」「科学的去勢」は「受刑者の恨みを買い、やはり再犯の原因となり得ます」(p99)
 
まず、①、②、⑥は、浜井浩一『2円で刑務所、5億で執行猶予』(光文社新書、2009)と矛盾していないので、とりあえず専門知として正しいとしていいだろう(もちろん、他の本の参照も必要だが)。また、奥野修司『心にナイフをしのばせて』(文春文庫、2009)の執筆が、社会にとっていかに有害だったかも理解できよう(加害者の元少年は弁護士を廃業してしまった)。
 
③、④は、河合の文章で初めて知った上に未確認ではあるが、こういうことがあれば、どれだけ多く仮釈放するか、満期の人をどうサポートするかは、社会全体として考えなければならないだろうな、と思った。
 
⑤は「統計上」のデータを知らないので、保留。