2020年東京オリンピックのマラソンと競歩の会場が札幌に移ったという。これについては特に感想はない。ただ、以下の話には感想があるので、取り上げる。
www.nikkansports.com （2019年11月1日15時20分）
によると、
東京都の小池百合子知事は1日の定例会見で、東京オリンピック（五輪）のマラソン・競歩が、暑さ問題を理由に札幌に会場が変更となったことに関連し、「7、8月のこの時期の（五輪）開催は難しい。10月だって台風が来る。近年の地球温暖化、気候変動という現状を考え、大会のあり方を議論をすべきだと思う」と指摘した。
「（現状の気候では）北半球のどこをとっても、過酷な状況になるのではないか」とも訴えた/
（略）23年の次回開催地に予定されているフランス・パリでも、今年気温40度に達したことを引き合いに(以下略）
とのこと。
一見、小池百合子・東京都知事の言ったことは正論に見えるが、実はペケである。
それでは2024年のオリンピック会場のパリの平均気温を見てみるか。以下はWeather Sparkより。
パリ、フランスにおける年間の平均的な気候 - Weather Spark
によると、パリの平均最高気温が一番高いのは、なんと25℃（4都市取り上げるが、いずれも8月にピークが来る）。そんな時でも平均最低気温は15℃である。
次に2028年のオリンピック会場のロサンゼルスの平均気温を見てみるか。
ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ合衆国における年間の平均的な気候 - Weather Spark
によると、平均最高気温が高い時は29℃、平均最低気温は19℃。
最後にに東京都の平均気温。
東京都、日本における年間の平均的な気候 - Weather Spark
によると、平均最高気温が高い時は31℃、平均最低気温は25℃である。
先ほど「最後に」と書いたが、ちなみに札幌市については
札幌市、日本における年間の平均的な気候 - Weather Spark
にある。それによると平均最高気温は26℃で、平均最低気温は18℃である。
もちろん、今年パリで40℃に達したのは事実だし、異常気候を警戒すべきではある。しかし、パリとロサンゼルスに限って言えば、明らかに東京より過酷ではないと言えよう。
小池さんはどういうわけか、マラソン等の会場が東京から札幌になったのが我慢ならずに感情を吐き出したと推察するが、それがデータと異なる結果になったので恥をかいてしまったようだ。たしか環境大臣でしたよね?
