毎月26日の新聞に、『WiLL』（ワック出版局。月刊誌）と『月刊Hanada』（飛鳥新社）の広告が載る。たいてい（自由民主党支持!日本維新の会支持!旧民主党消えろ!日本共産党も消えろ!中国や韓国は嫌いだ!）という見出しが躍るワンパターンな雑誌なのはわかるが…・
そのうち、『WiLL』2020年6月号の見出しの一つは、以下の通り。
安倍救国内閣の下で団結しよう 旧希望の党幹事 橋本琴絵
また、『月刊Hanada』2020年6月号の見出しの一つは、以下の通り。
安倍首相の下で団結 佐藤優 作家・元外務省主任分析官
やっぱりワンパターンな見出しである。
そんな『WiLL』（なお、『月刊Hanada』は2016年4月創刊。『WiLL』の編集長らが作った。ウィキペディアによる。https://ja.wikipedia.org/wiki/Hanada ）の、2011年頃の見出しはhttp://web-wac.co.jp/magazine/2011-will/ （ワック株式会社HPより）。その見出しを一部引用してみよう。
菅は日本の疫病神だ（2011年5月号）
（略）菅総理、あなたの存在が不安材料だ（2011年6月号）
菅は政界の瓦礫だ（2011年7月号）
菅は「廃油」だな（笑）（2011年8月号）
民主政権は中露の舎弟かい（2011年9月号）
菅を召し捕れッ!（2011年10月号）
あれ、東日本大震災って、甚大な災害だったはずだけど、「団結」どころか、悪口ばかりじゃないか。
当時の菅直人・内閣総理大臣と、安倍晋三・現内閣総理大臣って、そんなにレベルが違うのだろうか?現在の内閣総理大臣の方がやっていることのレベルがよほど高いのだろうか?
菅直人さんの東日本大震災対応はとりあえず置いておいて（現状では優先度が低い）、安倍晋三さんの新型コロナウイルス対応については、以下の2つの記事を紹介する。
①CNN.co.jp「緊急事態宣言拒んで（その後、「緊急事態宣言」は出た。筆者補足）マスク２枚、安倍首相に批判噴出」（2020年4月3日13時）
②東洋経済オンライン「｢安倍×星野源コラボ｣国民の怒りを買った理由」（サンドラ・ヘフェリン、著。15時45分）
話題になった2つの事件を取り上げたが、お世辞にもいい対応とは言えないわけだから（筆者の見解としては、どちらもそれなりの意味があったと思っているが、世論が厳しい印象）、『WiLL』（『月刊Hanada』もだが）としては否定的評価をしておくべきだろう。しかし、ほとんどそういう見出しはなかった。これではアンフェアとのそしりは免れないだろう。
というわけで、『WiLL』や『月刊Hanada』が真に読者の役に立つ雑誌になるには、まだまだ道のりが遠そうである。
