音楽について興味深い記事があったので検討する。産経新聞電子版「邦楽の海外輸出 鍵は『訳詞』*1音楽性損なわぬ英語で」(三宅令。2021年7月1日18時59分)。
まず、「その際に避けて通れないのが歌詞の翻訳だ」(1ページ)はその通りかもしれない。意味がわかれば親しみやすいというのは否定できないだろう。ただ歌われている言語の歌詞もあるとありがたい。あとで調べればより歌詞を理解できると思うからである。
気になったのは、「アジアで、欧米など世界市場への進出をいち早く果たしたのは『BTS』や『BLACKPINK(ブラックピンク)』らを擁する韓国のK-POPだ」*2(1ページ目)のところ。筆者は東方神起や少女時代が引っ張ったころのK-POPを知らないのでそのころの作品については何とも言えないし、BTSやBLACKPINKに英語の楽曲があるのも承知している。
しかし、BTSの場合で言えば、全歌詞が英語だから売れたわけではない。BTSが最初にBillboard 200で第1位になったアルバムは「LOVE YOURSELF 轉 'Tear’」であるが、歌詞は主に韓国語である。以下参照。
YouTube Music「LOVE YOURSELF 轉 'Tear’」
https://music.youtube.com/watch?v=639hc_F2TZU&list=OLAK5uy_lmg4BpXdKBNJbNhwOHM4XPlxxBaFbeZKU
「J-POPでも、国内外で活躍する『SEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)』や『ONE OK ROCK(ワンオクロック)』といった人気バンドは、全英語詞の楽曲を多く発表。いずれも英語発音はネーティブレベルと評価されている」*4というのはいいのだが、YouTubeにアップするミュージックビデオで英語の訳が書かれていればいいと思う。もちろん日本語で歌っている場合は日本語も。松原みき*5の「真夜中のドア/Stay With Me」だって日本語の楽曲だし。