2021年7月1日の「三宅民夫のマイあさ!」7時台を聴いていたところ、「深よみ。『消えた"反ワクチン派本"医療情報発信と表現の自由』」(以下、「番組」と表記)の内容が気になった。2021年7月8日7時40分配信終了なので、
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=5642_04 から「三宅民夫のマイあさ!7時台:深よみ。『消えた "反ワクチン派本" 神庭(かんば。筆者補足)亮介』」を探して聴いてみよう。
番組によると、「Amazonで、ランキング1位の本が、突如姿を消した」(後に復活)ことについて、バズフィードジャパンニュース副編集長の神庭亮介さんの見解を訊くというもの。
神庭さんは番組において"反ワクチン派本”が消えたことについて、Amazonを否定的に評価しなかった。SNSも俎上にあげ、怪しげな情報の遮断を支持するかのような発言をした。また、Googleのファクトチェック記事の紹介もした。
しかし、AmazonとSNS、検索エンジンを同じに考えていいわけではない。
Amazonでは0円で読めるコンテンツもあるが、通常は有料のコンテンツを販売する。そういうところであれば、Amazonのルールで売らないのはいいとしても(番組の表現では「営業の自由」)、品ぞろえから消すのは慎重にした方がよいと思う。科学というのは反証可能性があるから成り立つとカール・ポパーが書いたらしいが*1、通説と反対だから流通させないというのは科学的態度ではない。一方、SNSや検索エンジンはちょっと違う。SNSはいわば雑誌の編集と同じに考えればいいと思う。SNSの公開度で異なる扱いはあろうが、流通したら困る情報を遮断するのはあり得る。検索エンジンも人気だけが大事ではなく妥当性も大事なので(だから以前Yahoo!にあったようなカテゴリー検索も意味があった。小笠原喜康『新版 大学生のためのレポート・論文術』(講談社現代新書、2009)p73)、表示順位を変えることが妥当な場合もある。
この問題は、インターネット特有の問題にするより、現実社会に類推して考えた方が妥当な見解が得られると思うが、いかがだろうか。
*1:聞いたことはあるが、書物で確認していない