2022年7月8日に、安倍晋三・元内閣総理大臣が銃殺された。
この件につき、根拠はいちいち示さないが、犯行と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を結びつけることについて、「短絡的」だとか「安易」だとかの評価があるように思う。
しかし、NHK NEWS WEB(など)が報じたところによると、
安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃で撃たれて死亡した事件で、逮捕された容疑者が事件を起こすことを示唆する手紙を直前に投函していた疑いがあることがわかりました。
手紙には宗教団体*1に対する恨みが書かれ、安倍元総理大臣については「本来の敵ではない」などと記されていて、警察は、容疑者が出したものか確認を進めるなど詳しく調べています
とのこと。NHK NEWS WEB「安倍元首相銃撃事件 事件起こすこと示唆の手紙 直前に投函か」(2022年7月17日19時14分)をご一読。
筆者は、銃殺事件が起こった時、真っ先に思ったのは、左翼は、いわゆる「アベガー」の人の政治目的のテロだと思った。ただ、そう考えると、(とっくの昔に総理大臣をやめたのに、なぜ今?)という疑問がぬぐえなかった。
次に、北方領土交渉に不満を持つ人の政治目的のテロだと思った。しかし、そうなると、現状で国後島、択捉島、色丹島、歯舞群島*2、すべてが引き渡されていないわけで、現状維持である。生前の安倍晋三政権が2島先行返還論に沿って交渉しようとした事実が仮にあっても*3、実際は1島も返還されていないのだから、これを動機とするのは難しい。
しかし、安倍晋三が、「友好団体」の集会にビデオメッセージを送り、被疑者が旧統一教会との関係を供述し、手紙まで見つかったとすれば、よほどのことがない限り、被疑者の動機は旧統一教会に対する恨みであるとしてよく、それは「短絡的」でも「安易」でもないと思うが、いかがであろうか。
*2:後2者は、日ソ(ソビエト社会主義共和国連邦を継受しているのが現在のロシア共和国である)共同宣言において「平和条約が締結された後に現実に引き渡されるもの」(日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言第9条)とされている。
*3:例えば、時事ドットコム「【地球コラム】日ロ交渉、「2島返還」戦略は破綻か」(2022年7月17日アクセス。
https://www.jiji.com/jc/v4?id=20190709world0001
)によると、「日本側は「4島返還」から「2島返還」に絞って交渉する方針に譲歩した」とある。