読売新聞２００９年７月２２日朝刊１０面に、「日本の未来が、危ない。」と題した、自由民主党の広告が載っている。今度の選挙の本命と対抗である、自由民主党と民主党の比較をしているので、検討する。
１．安全保障
たしかに、自由民主党は、「新テロ対策特別措置法」の制定などはしただろう。一方、民主党の方にはすべて「反対」の文字が。どうも自由民主党は、民主党が反対したことを非難したいようだが、反対自体が悪いことなのか？自由民主党とは名ばかりで、本当は全体主義党といったところか。
２．教育
（１）「教育の正常化を目指し「新しい教育基本法を成立させた」」自民党。一方、「「教育基本法」の改正に反対した」民主党。
，泙此苦しくなるとウソをつくことを辞さないのが自民党。民主党は対案を出している（知事を教育に介入させる極めて問題のある法案だった）ので、「改正に反対」は間違い（正しくは、連立与党案に反対）。△箸海蹐如◆崟犠鏖宗廚箸浪拭今までがどう異常？学問的根拠もないのに受けた教育を否定するな！Ｏ辰亙僂錣襪、「新しい教育基本法」は、法律を根拠に政治介入が可能な（教育基本法第１６条第１項）、共産主義的な法律ではないか。
（２）「偏った教育を改め「教育再生」を実行中」の自民党。「偏った教育を進める日教組が、強力な支持母体」の民主党。労働組合が教育をやる？噴飯物だな。学問の自由も配慮できない戯言にしか聞こえないな。自由民主党の人って、学者より知識や見識があるというのだろうか？悔しかったら自説を学会で発表してみろよ！通用しない（たぶん）からと言って八つ当たりはいけないな。
（３）「「ゆとり教育」を見直し、学力向上を目指す。そして歴史、伝統、文化を大切にし、国を愛する心を育む道徳教育を充実させる」自民党。「「道徳教育反対」、「全国一斉学力テスト反対」、「日の丸・君が代否定」など、教育荒廃をもたらす日教組に同調している」民主党。「ゆとり教育」って、自民党政権下の文部科学省が推進したんじゃないの（現場の声を聞いたとしても、最終的に責任を持つのは自民党だろう）？「歴史、伝統、文化を大切に」するというが、それらが間違っていたら？「国を愛する」のは時代錯誤（金持ちは税率の低いところに所得税を払うご時世に。「国を愛する」ことを教える前に、外国にいる日本人に税金を払ってもらえよ）の上に、特定思想の強制（たとえば、歴史上の日本の恥部を教えてはダメで、いいことばかりを教えろという、どこかの教科書的な思想）につながるので、これらは「教育荒廃をもたらす」のでは？一方、特定思想の強制を否定し、（理由はどうあれ）無駄を直視して反対する（学力テストで何点でも留年はないし、入学式などの式典に日の丸・君が代がなくても、自分が経験した限りではたいしたことはない）日教組は、きちんと教育に向き合っているようにしか見えないが。
３．憲法
自民党は憲法に関して活発な議論をしている（要約）反面、民主党は、「改憲派と極端な護憲派が混在」などと批判しているが、二大政党制趣向の現在では、民主党はまともである反面（どうしても異なる意見が混在することが避けられないと思うから）、憲法全体を否定してかかる（でなければ、「草案」なんか作らない。改正したければ、具体的条文に即した、部分改正でよい）反国家的政党の自民党はどうにもならないな。
以上検討したが、この広告を見た限りでは、自由民主党が政権にいるほうが「日本の未来が、危ない」ようだ。こんな広告を出すよりは、自分たちの成果（とりわけ経済関係）を強調したほうがよかったのではないか？
