清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

教員の 政治の問題 本当か?

北海道5区から選出された、民主党小林千代美衆議院議員に、北海道教職員組合が違法に献金をしていたという、政治資金規正法違反が疑われる事件があった。

もし本当なら、論外である。企業・団体献金を禁止するか否かに関わらず、現行ルールを守れないということで。ただ、なぜ個人はダメで、政党はいいのかはよくわからないが。

ところで、話はさらに発展し、教員の政治活動が問題視されている。

もちろん、行政は中立的でなければならない。

しかし、教員の場合、中立的でなければならないという問題は、あまり想定できない。教えるのは学問だからである。小中学校の先生には「完全な教授の自由」はないが(最高裁昭和51年5月21日大法廷判決 最高裁判所刑事判例集30巻5号615頁)、だからと言って専門的な知識を教授してはならないこともない。

例えば、読売新聞2010年3月4日朝刊13版1面(仙台では)に載った「『北海道で“竹島は歴史的に韓国の領土”との教育が行われている』」(義家弘介衆議院議員)の件だって、学問としてはそうだというのも不可能ではあるまい。また、12版11面によると、義家さんは「北教組は韓国側の主張を学習資料に取り入れている」と質問したそうだが、政治的中立でなければいけないならば、北教祖の対応はきわめて妥当といえよう。日本の領土と教えること自体が、すでに政治的中立でないはずなのに(時の政府の見解どおりという意味で)、これが不問なのはいかがなものか(なお、帝国書院の「新詳高等地図初訂版」(2008年)p81によると、竹島は日本の領土である。学問的知見とも政治的中立でないとも言えるが、地図については見解保留)。

ところで、日本教職員組合は、実際には労働組合ではないそうだが(松浦光修『いいかげんにしろ日教組―われ「亡国教育」とかく闘えり』(PHP)参照。なお、労働組合ならば政治活動をしていけないわけでもないし、就業時間中の組合活動が認められる場合もある。菅野和夫『労働法』(弘文堂法律学講座双書)の最新版での確認を請う)、一般論として団体が政治的活動をしてなぜいけないのか、という疑問が残る。また、公務員の政治活動についても、日本の制限は厳しいと聞く(標準的な憲法体系書の一つ、芦部信喜憲法(新版補訂版)』(岩波書店 1999年。最新版での確認を請う)p251によると、「行政の中立性という目的を達成するために必要最小限度にとどまらなければならない」が「現行法上の制限は、すべての公務員の政治活動を一律全面に禁止し(カッコ内略)、しかも刑事罰を科している点で、違憲の疑いがある」とのこと)。

要は、教職員組合関係の記事は、教職員組合はけしからんだの、記事は正しいだのと判断せず、綿密な調査の後で見解を出す必要があるということである。