清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

マニフェスト 謝罪しちゃった 政府がね

上記MSN産経ニュースによると、岡田克也民主党幹事長に始まって、菅直人内閣総理大臣が、マニフェストが実現不可能な部分があるとして陳謝したという。
 
当初から財源の関係で実現が難しいと思われており、そんなマニフェストを掲げるとはとんでもないと言える。もっとも、そんな政党がたくさん得票できたのは、他の政党がダメだから、という側面もあったのだが。
 
ただ、マニフェストが実現できなかったことをつぶさに検討すれば、非難することでもないと言えるだろう。
 
第1の誤算は、いわゆる事業仕分けで、思ったほど予算が削減できなかったことである。『選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのか』(ブライアン・カプラン、日本経済新聞出版局、2009)をあらかじめ読んだ私としては、予算が削減できなかったことは予測できたが(いわゆる無駄はそんなにない、というのが、『選挙の経済学』を読めばわかる、と書いておく)。
 
第2の誤算は、いわゆる普天間問題で、アメリカ、官僚、マスメディアの共同体が潰したことである。詳細は把握していないが、ウィキリークスで暴露された文書は、本エントリーの見解を裏付けるもの、としてよいと自負する。ここで社会民主党が連立を離脱し、衆議院で3分の2の議席憲法第59条参照)を失ったことで政権基盤が弱くなったことも、マニフェスト実現を難しくした一因だろう(2010年の参議院議員選挙は、得票と議席が一致しなかった(それも、少なく得票した政党が議席が多かった)点で不当な選挙と解釈するので、重視しない)。
 
第3の誤算が、少数野党(得票で言えば、民主党以上の政党は、2007年からない)の暴走があったことである。すなわち、政策のの妥当性の検討もせず、民主党が提案するから何でも反対(実際は何でも反対しているわけではないが)、という、自由民主党その他の野党の暴走があったのである。子ども手当は年少扶養控除より応能負担の観点から妥当だったり、そもそも高速道路は無料化するものだったりと、この程度の検討もできなかった、劣化した野党の姿が目立った。
 
以上書いたとおりであるから、必要以上に陳謝を重視する必要はなく、野党のとんちんかんな批判が日本をあらぬ方向に導く現実を直視したほうがいいだろう。