清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

品格が あんまりないよ 坂東さん

今日の読売新聞朝刊を見ていたら、13版11面(仙台では)に、『女性の品格』(PHP新書、2006)が売れた、坂東眞理子さんの、「婚活する男性へ 人とつながる力が大切」という論文が載っていた。しかし、男性差別をしている部分などがあり、品格を感じなかった。以下、検討する。

「2010年10月実施の国勢調査の速報が発表された。単身世帯が3割を超えたが、特徴は男性の未婚者の増大だ。40代前半の男性の未婚率は27.9%(小数点の部分改変。清高注)、後半でも21.5%、50代前半になっても17.2%、一生結婚しない男性は1970年、1.7%だったが様変わりした」とか。そして、「男性の未婚率が上がっている理由の一つは経済力だ」という(後述)。それだけでなく、64歳までの人口が(高齢結婚を否定はしないが、坂東さんの記述からすれば、64歳までを考慮すればいいと判断。もちろん、全人口は、女性が多いが、65歳以上に女性が多いことが原因)男性が多いことも原因だろう(国際結婚はあり得るが、日本人同士が結婚したら)。世界でも同様の傾向がある(0歳~14歳、15歳~64歳までのカテゴリーでは男性が多い。もっとも、世界は55歳以降は女性が多いが、本エントリーの論旨に影響はない)。酷な言い方だが、男性が結婚できないのは、一夫一妻制を前提したら、一定数出るだろう(ただし、以前のデータと比較したわけではない。しかし、国勢調査などから、高齢者を除いては男性が多いのは明らか)。つまり、この論文自体が成り立たないのである。

「未婚の息子が高齢者虐待の加害者になることも多」いとのことだが、家族間の殺人は、日本の殺人においてノーマルなことぐらい、ちょっと調べればわかるはずだが(試みに、浜井浩一『家族内殺人』(洋泉社新書、2009)でも読まれたし)。

「経済力」と先ほど指摘したが、「今の40歳前後から、(中略)専業主婦を養える男性は少なくなった。年収と婚姻率は相関していて現在も年収が高いほど婚姻率は高い」のならば、労働組合にでも入ればよかろう。本人の努力は大事だが、駄文(バキッ)なんか書いていないで、男性(「専業主婦」から判断)の賃金・給料を上げる努力をすべきだろう。いや、それよりも、男性の賃金・給料が低いことに偏見を抱かないことが大事だろう。専業主夫でもいいのだから。そうでないと差別である。

「未婚男性の中にも原因を抱えているケース」は否定しないが、それなら女性は問題ないのか?少ない女性が結婚できないほうが、原因を抱えているケースが多いんじゃないか?

「女性と経済的責任を分担し、家事・育児を分かち合い、人間的絆を深める結婚がますます増えていくだろう」というのならば、「一生結婚しない男性は1970年、1.7%だった」ことと矛盾する。まさか、昔の男性のほうが「女性と経済的責任を分担し、家事・育児を分かち合い、人間的絆を深める結婚」をしたとは言わないよね? もちろん、男女平等が叫ばれる現在は、「女性と経済的責任を分担し、家事・育児を分かち合い、人間的絆を深める結婚」を目指さなければならないが。

「コミュニケーション能力」などは、男性も女性も同じで、バカバカしいので取り上げない。

というわけで、坂東さんは、データをきちんと読まず、男性に対する差別意識を持っている、品格があまりない人であった。坂東さんの発言は、原則スルーで、問題発言だけ厳しく非難すればよかろう。

*参照サイト
総務省HP「抽出速報集計結果 <平成23年6月29日公表> 結果の概要(第2部 資料)(PDF:537KB)」(http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/sokuhou/pdf/gaiyou2.pdf

統計局HP「2-7 男女,年齢5歳階級別人口」(http://www.stat.go.jp/data/sekai/zuhyou/0207.xls

**ウェブサイトは、2011年8月31日アクセス。