清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

男女共同 参画すべしは 理解するが

今日は朝早く目覚めたので、NHKのラジオ第1で5時頃からやっている、「ラジオあさいちばん」(http://www.nhk.or.jp/r-asa/ )という番組を聴いていた。

月曜日から金曜日は、5時30分すぎに「健康ライフ」というコーナーがある。今日(2012年6月29日)は「「男女の違いと脳の関係」  横浜市立大学 名誉教授 田中冨久子」とのこと。

田中名誉教授が言いたいことは(ただし、私が聞いた限りで)、男らしさが寿命を縮めるということのようだ。田中名誉教授によると、男女の平均寿命は、世界では2~3歳差(男性が2歳から3歳短い)だが、日本では7~8歳差だという。

また、脳というのは、刈り込みというのがあり、2~3歳から脳の回路が減り、20歳ぐらいまで続くのだという。そこで、日本は、男らしく・女らしく、と育てられるのだという。北欧(記憶ではスウェーデン)では男も女も同様に育てられるという。おそらく、日本では、脳の男女差があり、北欧ではあまりない、ということなのだろう。なお、脳の態様による男らしさは、一代限りらしい。すなわち、教育で変えられるのだという。

試みに調べた結果、統計局HP「世界の統計 第2章 人口」(2012年6月29日アクセス。http://www.stat.go.jp/data/sekai/02.htm )の「2-17 男女別平均寿命」を見てみると、日本の平均寿命は、2009年で83歳。男性は80歳、女性は86歳、と、確かに差がある。

ところで、国際的に、男女平等についての実情調査(ただし2011年)がある。『村野瀬玲奈の秘書課広報室』「国別「男女平等」実情調査、日本はほぼ最下位グループ」(2012年6月29日アクセス。http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-2902.html )に詳しいが、それによると、1位アイルランド、2位ノルウェー、3位フィンランド、4位スウェーデン、5位ニュージーランド、6位アイルランド、7位デンマーク、8位アフリカのレソト、9位フィリピン、10位スイス、19位アメリカ、94位日本だという。ただし、日本については「寿命では首位に並んだ」とのこと。

以下の記述においては、総合順位で検討するが、男女平等についての実情調査で取り上げた国の平均寿命を示すと、

1位 アイルランド 平均寿命80歳 男性77歳 女性82歳
2位 ノルウェー 平均寿命81歳 男性79歳 女性83歳
3位 フィンランド 平均寿命80歳 男性77歳 女性83歳
4位 スウェーデン 平均寿命81歳 男性79歳 女性83歳
5位 ニュージーランド 平均寿命81歳 男性79歳 女性83歳
6位 アイルランド 平均寿命80歳 男性77歳 女性82歳
7位 デンマーク 平均寿命79歳 男性77歳 女性81歳
8位 レソト 平均寿命48歳 男性46歳 女性50歳
9位 フィリピン 平均寿命70歳 男性67歳 女性73歳
10位 スイス 平均寿命82歳 男性80歳 女性84歳
19位 アメリカ 平均寿命79歳 男性76歳 女性81歳

日本は、男性の平均寿命は全体の平均寿命の-3歳、女性は+3歳。男女平等とされるフィンランドやフィリピンと変わらない。

調査年が違うので断言はできないが、田中名誉教授の見解は、私の見る限り、根拠がなさそうである。例えば男女平等度が第10位のスイスだが、女性の平均寿命は日本より2歳短い。これがいいのだろうか? また、トップ10のうち、日本の男性の平均寿命と同じなのはスイスだけで、あとの9国は男性の平均寿命で日本より短い。

もちろん、田中名誉教授の言いたいこと、すなわち、男女平等、男女共同参画、は、哲学的には正当だが、それと平均寿命と相関関係すらあるようには思えない。