清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

長期刑 懲役8年 妥当かな

MSN産経ニュース「「目先の楽しみを優先し、交通ルール無視した」 運転少年に懲役5年以上8年以下 京都地裁判決」(2013年2月19日 16時8分。以下①。上からアクセス)によると、「京都府亀岡市で平成24年4月、軽乗用車が暴走し集団登校中の小学生ら10人が死傷した事故をめぐり、自動車運転過失致死傷と道交法違反(無免許運転)の罪に問われた無職少年(19)に」、京都地方裁判所は「懲役5年以上8年以下(求刑・懲役5年以上10年以下)の実刑を言い渡した」という。

 
同じMSN産経ニュース「「茶番劇のような裁判」「法に裏切られた」…全国の交通事故遺族からも批判の声」(2013年2月19日19時34分。以下②。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130219/trl13021919370009-n1.htm
に代表されるように(NHKニュース7も見ているので)、被害者感情からして今回の判決は軽すぎるという声が多いという印象がある。
 
また、被害者学の権威・諸沢英道先生も厳しく批判している(MSN産経ニュース「「一般感覚からずれた判決」諸沢英道・常磐大大学院教授(被害者学)」(2013年2月19日19時40分。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130219/trl13021919420011-n1.htm
 
今後判決が変わることも予想されるが、妥当な判決と判断してよい。
 
まず、②にあるような「「そもそも起訴罪名が間違っている。無免許の居眠り運転で家族を奪われた行為が『過失』と認定されては報われない。危険運転致死傷罪の要件に無免許運転を入れ、少年の罪を問い直すべきだ」」はわかるが、支持しない。理由は2つ。第1に、居眠り=わざと(故意に)眠る、となるわけではない。第2は微妙だが、「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行」=無免許運転としなかったのが謙抑主義の観点から評価できるからである(ただ、解釈としてはありうる。しかし、人を死なせる悲惨さは、免許の有無で変わらないし、道路交通法第64条の無免許運転(最高刑は懲役1年。道路交通法第117条の4第2号)の禁止との二重評価の懸念もある)。
 
次に①にあるように「求刑・懲役5年以上10年以下」としたのに「懲役5年以上8年以下」のも妥当である。がちゃさん著・カンカンとガクガクの部屋「危険運転致死傷罪に「無免許」と「酒酔い」を追加すべき」(2012/6/25(月) 午後 7:26。http://blogs.yahoo.co.jp/kenpougyouseihouminpou/archive/2012/06/25
によると、以前、京都新聞が「地検が当初立件した無免許運転は4月22~23日の1件だったが捜査の結果、2件加えた。このため刑法と少年法の規定により、地検は公判で危険運転致死傷罪の場合と同じ懲役5年以上10年以下の不定期刑を求刑できる」(少年法第52条第1項、第2項参照。なお、事件は①によると「24年4月23日朝」)と報じたが、4月11日と17日(①より)の無免許運転を、今回の事件の無免許運転と同じように評価するのが無理だからである。また、危険運転致死傷罪を適用しなかったのにそれと同じだけの刑罰を科すのも不合理である。
 
というわけで、いくらマスメディアが被害者の立場を慮っても、今回の判決にはそれなりの理由があると言わざるをえない。マスメディアのすべきことは、被害者の立場だけを無批判に垂れ流すのではなく、まずは解説だろう。
 
*文中一部敬称略