清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

生き物を 食べる現実 重いよね

某日、DVDプレイヤーに録画しておいたドキュメンタリーを2本見た。どちらも、生き物を食べる現実がわかる、重いドキュメンタリーであった。以下、紹介する(鑑賞順)。

 
長野朝日放送・制作「テレメンタリー2013 通知表のない学校 ブタの飼育から学ぶこと」(2013年2月27日1時58分から東日本放送で放映)
 
長野県伊那市立伊那小学校には、通知表がないそうだ。番組によると、1956年に廃止。保護者との懇談が充実している模様。そんな伊那小学校、授業も一風変わっており、教科書を使って練習、ではなく、生徒がいろいろな経験をし、それに基づいて知識を身につけようという方針である。3年夏組は、さな(番組によると、クラスで「サニー」と「なっちゃん」とに意見が分かれ、それらを合わせて名付けたそうだ)という豚を、人工授精で産んだ子豚は食肉用にすることを条件に飼っている。3年夏組は4年制になったらクラス替えがある一方、21日毎の発情タイミングの関係で、学期末の3月ではなく、前年12月までに農協に引き渡さないと(引き渡せば繁殖用となる)食肉にされる。3年夏組がどう結論を出したかをカメラは追った。
 
本エントリーのために少々的外れな要約になったが、伊那小学校の、チャイムも通知表もない教育もなかなか面白いな、というのが、この番組の主旨なのだろう。教育で大事なのは、究極的には児童・生徒・学生の心に残ること。伊那小学校みたいな授業、大変結構なんじゃないだろうか。どれくらい日本教職員組合(等の職員組合)が強いかは知らないが、「ニッキョーソが」みたいなわけのわからない声に潰されないことを願った(もっとも、保護者の反対は否定しない)。
 
戻って豚の話。子豚を食肉にすることを条件として飼うことといい、繁殖用となるために早めのお別れになることといい(番組によると、クラス替えをしないという特例は認められなかった)、重いテーマで、僭越ながら、おそらく児童の心に残る授業なのだ、と思った。
 
毎日放送・制作「情熱大陸 第740回 高校教師 真鍋公士」(2013年2月25日0時35分から東北放送で放映)
 
①と違い、こちらは生き物を食べる過程を体験することによって命の大切さ、かけがえのなさを教わる重い内容。
 
福岡県立久留米築水高等学校の教師、真鍋公士さんは、鶏を卵の段階から育て、解体して食べるまでを生徒に体験させる。真鍋さんが担当する生徒1人1人が卵から親代わりになる。しかし、授業では、いつかは解体して食べるのだ。生徒は(ア)工場に出荷して業者の手に委ねるか、(イ)自ら解体するか、を選択肢なければならない。女子生徒の辛い選択の模様、解体の実際(もちろん、解体した事実だけで、解体の方法が露骨に示されているわけではない)が映されている。
 
この授業、福岡県教育委員会の文化表彰を受け、文部科学大臣の奨励賞も受けている。生徒の評判もよく、卒業生の飲み会もあるという(学生結婚で妊娠するか否かの決断を授業の体験に基づいてした人もいる)。
 
まぁ、生徒の評判が良ければ大変結構だが、普通の高校には無理だろうな。なにせ、築水高校は、番組によると、生物工学、環境緑地など、5つの分野に特化した専門高校なのだから。
 
①であれ②であれ、生き物を食べる重い現実、自分で決めることの大切さ(①では児童の話し合いでさなの処遇などを決める。②は解体するか否かを個々の生徒が決める)が学べるいいドキュメンタリーであった。