清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

全国紙 なのに都会を 切り捨てる

少し古くなったが、読売新聞東京本社版2013年5月13日朝刊12版11面「基礎からわかる選挙制度」が、笑えた。以下、引用しつつ(「読売新聞より」と表記)、理由を述べる。

 
まずは、「Q 将来の定数配分は 都市部に集中 弱まる地方の声」のところ。
 
「日本は本格的な人口減少時代を迎えている(中略)都市部に比べ、地方の減少幅が大きいのが特徴だ。都市への人口集中が進む中、人口だけを基準に定数を比例配分した場合(中略)読売新聞は、現行の小選挙区比例代表並立制「1人別枠方式」は撤廃したと仮定し、①定数は小選挙区300、比例代表180 ②「人口に基づき、定数を最大剰余法(清高補足。フレッシュアイペディアでご確認。http://wkp.fresheye.com/wikipedia/%E6%9C%80%E5%A4%A7%E5%89%B0%E4%BD%99%E6%96%B9%E5%BC%8F
)により配分―した場合の小選挙区都道府県定数を試算した」ところ、「東京は現在の25から34に、神奈川は18から23に増加する」など、「『地方の声』が弱まるのは確実だ」という。仙台人としては弱まる方なので書きにくいが(「東北6県は(小選挙区の。清高補足)(中略)全て減少する」。読売新聞より)、当然のことである。人口の多い部分を切り捨ててまで「『地方の声』」(読売新聞より)を届ける必要がどこにあるのだろうか。なお、有権者を基準とすればどう変わるかについては未調査である。
 
次は「Q 平等重視比例選は 小数分立で不安定に」
 
「1票の格差を問題視して、昨年12月の衆院選に対する一連の無効訴訟を提起した弁護士らのグループや、みんなの党小選挙区制や中選挙区制、ブロック制の比例選は必ず1票の格差が生じると指摘。『全国集計の比例選を導入すれば、格差はゼロにできる』と主張する」。読売新聞はその後の文章で何ら肯定的評価をしていないが、正論である。インターネットも使えるようになるのだから、全国1区の比例代表制の難点も解消されることが想定される。それ以外の欠点があれば、それを検討すればいいだけである。
 
比例代表制を導入すると「不安定な状態に陥る」という。しかし、小泉純一郎さんの時や、先の民主党のように、党内分裂だって「不安定な状態」の原因なのだから(前者は、いわゆる郵政民営化法案が参議院で否決され、衆議院が解散された。後者は、2012年衆議院議員総選挙次の多党乱立を想起)、比例代表制を導入した場合のみ「不安定な状態」と評価するのはアンフェアである。
 
「昨年12月の衆院選では(中略)過半数議席で安定した政権を発足させるためには、(中略)自公を含めて4党以上で構成する必要がある」ことも、不都合ではない。『民主主義対民主主義―多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究』(アレンド レイプハルト 、勁草書房、2005)に詳しく書かれているが、多くの政党が政権に携われると国民の(政治に対する)満足度が高まるという。それを考えれば、多党が与党でも何も不都合はない。
 
というわけで、全然解説がなっておらず、笑ってしまったのである。
 
意図はわかってますけどね。つまり、自由民主党が正しいとしたいのは。しかし、だから、首都圏の読者を切り捨てるような(それも、理由なく)提言をしたり、日本の政治で現実に起こっている混乱をスルーしていいとは思わないけど。