1.「宜野湾市長選 「普天間」を動かす足掛かりに(2月14日付・読売社説)」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120213-OYT1T01085.htm )
「「反基地」色の強い伊波氏では市政は変わらないと考える市民に対し、「現実路線」を通じて浸透したのが勝因」? 宜野湾から基地を移すのだから、たいして違いはないだろう。他の論点だったり、いろいろあるんじゃないか?
「地方選とはいえ、政府が推進する辺野古移設に、より強く反対する候補を支援したのは政権与党議員として無責任」って、それこそその政党の自由だし、そもそもは自主投票だったのだから。
なお、「佐喜真氏は、市の中心部にある普天間飛行場について「県外移設」を主張した」んだって。読売社説の支離滅裂さ、ならびに、当ブログの見解の補強になっている。
2.「選挙制度改革 連用制は一部導入でも禁物だ(2月16日付・読売社説)」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120215-OYT1T01133.htm )
「小党分立が避けられず、連立政権が常態化するなど、問題が少なくない」って、それって問題なのか? 妥協しなければ政権運営できないなら、それなりに多様な意見を反映しうるんじゃないの? もしこれらが問題ならば、世界中で比例代表制が捨てられるはずだが、小選挙区制のほうが世界的にマイナーなのは、常識なんだけど(とりあえず、三輪和宏(著者情報は各自の調査を乞う)「 諸 外 国 の 下 院 の 選 挙 制 度」(https://docs.google.com/viewer?url=http%3A%2F%2Fwww.ndl.go.jp%2Fjp%2Fdata%2Fpublication%2Frefer%2F200612_671%2F067106.pdf) 参照)。また、小選挙区制(多数決型)より、比例代表制(コンセンサス型)が妥当な傾向がある、という研究もあるし(『民主主義対民主主義 多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究』(アレンド レイプハルト、勁草書房、2005)をご一読)。
ただ、「有権者の意向に沿わない形で議席が配分されること」がおかしいならば、2010年参議院議員通常選挙の結果も非難しなければならないが、読売新聞はしていない(とりあえずは、『村野瀬玲奈の秘書課広報室』「2010年参院選結果についての各紙社説を読み比べてみた。」(http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1891.html) 参照(縮刷版での調査も必要)。2010年参議院議員通常選挙は、全国的には、選挙区も比例も、民主党が第1党だった。「得票数 No.1は 民主党」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/50864487.html) 参照)。これはアンフェアだろう。
というわけで、読売新聞は、現時点でも、発行部数はナンバーワンだが、「“ザ・ペーパー”」とはとても言えない、お粗末な新聞、と見てよいようだ。