清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ニッポンの バスケの敵は FIBAだった?

今日は、仙台89ERS vs 大阪エヴェッサのテレビ中継(東北放送。ローカル)と、全日本総合バスケットボール選手権の男子決勝(NHK Eテレ)のテレビ中継をはしごをした(結果は前者は仙台79-75大阪、後者は東芝神奈川79-72トヨタ自動車東京(東芝神奈川が大会優勝))。

 
前者の中継を見ると、選手がタイムアウトを取ったり、クオーター開始はエンドラインからのスローインだったりする。これがFIBA国際バスケットボール連盟)のお気に召さなかったらしく、bjリーグ日本プロバスケットボールリーグ)のルールの是正勧告をFIBAが求めたという(日本経済新聞電子版「bjリーグのルール是正を勧告 国際バスケット連盟」(2013年12月18日21時48分。以下①。http://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKD0800_Y3A211C1000000/
)。
 
なお、本エントリーでこの話を取り上げたのは、読売新聞東京本社版2014年1月13日朝刊13版25面で記事になっていたからである(見出しは「2リーグ問題 JBAに改革を勧告 国際バスケ連盟 進展なければ罰則」。以下②)。②によると、「国際バスケットボール連盟FIBA)が、日本バスケットボール協会JBA)に対して、国内で2つのトップリーグNBLとbj)が公認されている組織の改革などを進めなければ、罰則を科すと勧告していることが12日わかった。日本協会の深津泰彦・会長代行が明らかにした」とのこと。
 
①の記事は、「bjリーグがFIBAの競技規則と異なる独自ルールを採用しているのは問題で、是正するよう日本協会に勧告したことを明らかにした。改善されない場合は、協会を処分する可能性」とある。①と②のニュアンスの違い(①は競技ルールを変えないと罰則、②はトップリーグの公認について改善しないと罰則、と読める)が興味深い。
 
ついでに②を読み進めると、「2020年東京五輪でのバスケット競技の開催国枠は未確定で、FIBAに決定権がある。(中略)日本協会のガバナンスがこれ以上問題視されれば、最悪の場合、日本がホスト国として五輪に出場できなくなる可能性もある」とある。
 
以上、筆者が少々恣意的に引用して問題にした点は、(1)bjリーグの独自ルールをFIBAが問題にしており、改善を求めている、(2)「国内で2つのトップリーグNBLとbj)が公認されている組織の改革などを進めなければ、罰則を科す」(②より引用)、(3)「日本協会のガバナンスがこれ以上問題視されれば、最悪の場合、日本がホスト国として五輪に出場できなくなる可能性」が「ある」(②より引用)、である。以下において1ファンとして検討する。
 
まず(1)。bjリーグの独自ルールはNBAでも採用している。同様のことはアメリカでも問題のはずだが、問題が起こったという話は聞かない(アメリカ代表の大半を輩出しているNBAの独自ルールが変わらないからアメリカ代表の出場権がない、という話は聞いたことがない)。(3)の問題と同じだが、日本代表が弱い(2012年のロンドン・オリンピックにおいて、アジアで出場したのは2011年の第26回FIBAアジアバスケットボール選手権大会で優勝した中国だけ、という地域の弱さに加えて、2013年の第27回の同大会において日本は第9位だった)ことのほうが根本問題と思われる。もっとも、今日の仙台の中継にはなかったが、スローインのシーンで出しどころが見出し難い時にタイムアウトを取られるとしらけるので、bjリーグは選手がタイムアウトを取れるというルールをやめるべき(FIBAルールにすべき)だと思っているが。
 
次に(2)。JBA的には終わった話。NBLは、bjリーグも設立に同意した次世代トップリーグだからである。だから、トップリーグNBLというのがJBAの理事さんの考えだろう。ただ、bjリーグのチームも努力しているので、公認だったり一部ルール拝借(なんと、オフィシャルタイムアウトがあった!NBLのHP「ABOUT NBL」(2014年1月13日アクセス。
))だったりということがある。必要以上にトップリーグの並立を問題とするのは日本のバスケットボールファンにとっていいことではない。
 
もちろん、統一も考えられる。例えば、NBLサラリーキャップを現在の1.5億(「ABOUT NBL」参照)から下げれば統一へ向かうと思われる(bjのサラリーキャップがそこまで行ったという話は聞かない)。しかし、そうなるとNBL所属選手のサラリーが減る可能性が高いので、容易にはできないかも(NBLサラリーキャップを減らすことに賛成するわけでもない)。ファンのためにbjリーグを公認したJBAとしては難しい問題である(敬意は表するが)。
 
最後に(3)。繰り返しになるが、アメリカのバスケットボールの統括団体はよく知らないが、代表の多数を輩出しているNBAは独自ルール。問題はないのか?しかしアメリカは参加させないとしたら、世界中のバスケットボールファンを裏切るもの。だからアメリカは参加させないということは、たぶんない(おそらく団体として問題がないのだろう)。男子日本代表がFIBAアジアバスケットボール選手権大会で3位以内に入る(ワールドカップや五輪最終予選に出られる)のが打開策かも、と勝手に想像する。
 
統一に向かう試みは大事だが、とりあえず、bjリーグには、来シーズンからタイムアウトはヘッドコーチのみ要求できることとし、FIBAには過度にトップリーグの並立を問題視しないことを求めたい。