清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

教科書を 比較の番組 見てみたよ

2014年4月27日18時から、BS-TBSで放送された「ニュース少年探偵団」(以下「番組」とも表記。過去の放送(http://www.bs-tbs.co.jp/news_tanteidan/archive.html)  をご一読) を観た。「教科書を考える特集」に興味があったからである。

放送で明らかになったことを。

まず、韓国(大韓民国のこと。以下も略称)の小学校には、1冊まるまる竹島(韓国名は独島)を扱う教科書があるという。そしてそれが選択科目なのだという。ソウル市の(市立かは分からない)バルサン中学校には「独島部」があるという。部員は100人ほどで顧問は社会科の先生。部活動の締めくくりは「独島はわが領土」という歌である。解釈も独特で、尖閣諸島で日本が強気に出たが後退したので腹いせに独島問題を取り上げているのだという。

一方、中国〈中華人民共和国のこと。以下も略称)の中学校の教科書には、番組によると尖閣諸島の記述がない。中国国内では尖閣諸島は話題になっていなかったが、最近になってメディアが報じたという。いわゆる日本の国有化の影響が真っ先に思い出させるが、そこまで露骨に言わないのはなぜだろう?

その後、スタンフォード大学が2008年に発表した論文に沿って、日本・中国・韓国の教科書の違いを説明。日本は無味乾燥、中国は政治的な宣伝、韓国は民族意識の形成が特長だという。その例として原爆投下を取りあげ、日本は事実を述べているが、韓国の教科書には記載がなく、中国はその後の核実験と絡めて論じているのだという。しかし、原爆投下を日本が取り上げることは「民族意識の形成」と言えないのだろうか(唯一の被爆国のアイデンティティ、平和を愛する国民、など〉?また他国が取りあげないのはそれ程重要じゃないと思っているだけかもしれないし。というわけで、原爆投下の例の限りでは、スタンフォード大学の論文が妥当だとは思えなかった。

最終盤では、日本の竹富町が、東京書籍〈番組では教科書会社を明記せず〉の教科書を使用していることを取りあげ、八重山採択区〈竹富町を含む〉で採用されている、育鵬社の教科書と比べ、教科書の記述の違いを説明〈東京書籍は米軍基地が充実、育鵬社は日米同盟評価〉。教科書を盲信しないで参考書や新聞を読んで勉強するように勧められる。

参考になる内容だったが、若干アンフェアなところと、頓珍漢なところがあった。

教科書じゃあるまいに、日本の主張が正しく、他国が正しくないかのような表現が多かった(「史実にないことまで物語にされ」〈番組〉など〉。それこそ、日本の検定教科書だって違いがあるのだから、外国の教科書とも視点が違う、というだけの話だろう。

子どもを批判したくはないのだが、スタジオにいる子どものコメントが頓珍漢だったのも印象的。会社ごとに違う記述に賛成しない内容が多かったそれぞれの教科書には、執筆者の学問的良心が貫かれているのに。表現や学問の自由の大切さをいずれ学ぶんだろうけど。

なお蛇足。来日した韓国人によると(インタビューに答えた人のかぎりだが)、教科書で日本は悪い国と学んだが、実際はいい国という印象を持っているという。理解していない、できないものを知る努力が大切なようだ(番組も同旨)。