清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

最近の 読売新聞 冴えている

タイトルの通りだが、最近の読売新聞は冴えている。以下、3点。

 

1.読売新聞2020年8月29日統合版12版7面「論点スペシャル 安倍首相辞任表明」における、国際協力機構理事長、北岡伸一さんの以下の引用コメント。

第二に主体性を失うことなく中国との関係を比較的平穏に保ち、対立を避けた。これもプラグマティックだった。

              ―北岡伸一「実利的な外交・安保 成果」 

 安倍晋三政権に否定的な人でも、これは認めざるを得ないだろう。民主党政権の時は刑事手続きの混乱や尖閣国有化に伴う緊張の強化があった。それよりは良かったと言わざるを得ない。

 

2.読売新聞2020年8月30日統合版12版12面。加藤聖文(きよふみ。国文学研究資料館准教授)「『決して歴史を忘れるな』」(倉沢愛子・著『インドネシア大虐殺』(中公新書)、『楽園の島と忘れられたジェノサイド』(千倉書房)のレビュー)

 

 インドネシア独立の英雄スカルノは、1966年3月、スハルトの「這うようにして進められたクーデター」で権力を追われた。この権力闘争の真っ只中に起きたのが、インドネシア全土で繰り広げられた共産主義者(といわれた人)に対する虐殺事件だ(略)。

 

 カンボジアポル・ポト政権による大量虐殺に匹敵するにもかかわらず、この事件はほとんど知られていない。米ソともにスカルノを警戒し、彼を追い落としたスハルトを歓迎、政権誕生の暗部である虐殺事件を不問にしたからだ。

 

 デヴィ夫人はじめスカルノと深い結びつきがあった日本も、スハルト政権と経済的結びつきを深める中で事件に目をつぶった。

                  ― 「『決して歴史を忘れるな』」

 

現在筆者は、ウィリアム・ブルム著『アメリカ侵略全史(略)』(作品社、2018)を読んでいるが、アメリカというのは、反共産主義であればどんなひどい人でも援助するのが本質のようで、その一端が書かれている本を取り上げたのは素晴らしいと思った。 

 

3.読売新聞2020年8月31日統合版12版9面「思潮 論壇誌8月 崩れる秩序 人々の意識変容」(文化部 小林佑基)における以下の引用。

 

 香港の国家安全維持法(国安法)が施行されるなど、中国が強硬姿勢を強めている。だが、国際社会は批判一色でもない。

               ―読売新聞2020年8月31日統合版12版9面「思潮 論壇誌8月 崩れる秩序 人々の意識変容」

 

今年の国連人権理事会では、キューバなど70か国が国安法への支持を表明した。日本政治外交史の北岡伸一氏も「世界に向けた日本の保健・医療イニシアティブ(『同』(『外交』。筆者注))で、「日本では欧米メディアの反中国的な声が入りやすいが、途上国に対する中国の影響力はもっと強いと考えた方がよい」と警鐘を鳴らす。

                ―同 

 

国連人権理事会の件は未確認も、いわゆる途上国と中国のつながりの強さは、アジアアフリカ会議(

アジアアフリカ会議(アジアアフリカカイギ)とは - コトバンク

)の頃から変わっていないと筆者も思っているので(一帯一路構想もその延長上と勝手に理解している)、8月31日朝刊に載った北岡さんのコメントは的を射ていると思う。