今日の読売新聞(統合版)で目に付いたのは、記事というより、『反日種族主義との闘争』(李栄薫(イ・ヨンフン)、文藝春秋)の広告(以下①)である(3面)。
以下、本エントリーで取り上げる部分を引用する。
(前略)日本の"良心的知識人"は、『反日種族主義』の指摘について、沈黙したままです。(略)『反日種族主義との闘争』が、韓日両国にわたってより活発な論争の場を作り出してゆくことを期待してやみません
これを素直に捉えていいのか?以下、上記引用を解釈するのに役に立つと筆者が思った部分を引用する。
(1)彼は自分を天才と考える。
(2)彼は自分の仲間たちを、例外なしに無学な愚か者とみなす。
(3)彼は自分が不当に迫害され、差別待遇を受けていると信じる。
(4)彼は最も偉大な科学者や最もよく確立された理論に攻撃を集中する強い衝動を持っている。
(5)彼はしばしば複雑な特殊用語を使って書く傾向がある。多くの場合それらの術語や句は彼が自分で作り出したものである。
(マーティン・ガードナー『奇妙な論理Ⅰ』(ハヤカワ文庫NF272、2003(原文1952)。以下②)p31~35「疑似科学者の偏執狂的傾向」をもとに箇条書きにした)
一九七九年、進藤栄一・筑波大学助教授(当時。これは事実である。「国際アジア共同体学会『進藤栄一』略歴」
https://www.isac.asia/aboutus/shindo_profile/ 参照)が、米国の公文書館から驚くべき文書を発見し(中略)
昭和天皇はGHQ側に対して「沖縄を半永久的に軍事占領してほしい」と伝えているのです。(中略)
進藤教授はこの「天皇メッセージ」という、戦後史そのものをくつがえすような歴史的事実を発掘・発表したのですから、本来、大変な反応があってよいはずです。(中略)そこで、
「当時の反響はどうでしたか、大変だったでしょう」
と聞いたところ、
「それが日本の新聞や学会は、まったくの黙殺でした」
といわれました。
「不都合な真実には反論しない。あたかもそれがなんの意味も持たないように黙殺する」
それが戦後の日本のメディアや学会の典型的な対応なのです。
①の「沈黙したまま」はどちらだろう?②のような話なのか、それとも③のような話なのか?
②で該当しそうなのは(3)~(5)である。(3)について補足すると、「彼の本を無視する」(②p32)が①の「沈黙したまま」に該当しそうである。(4) は、例えば「日本の植民地"支配”ではなく」(①)が該当しそうだ(管見の限り、どの教科書でも、韓国併合を植民地支配と評価している)。(5)は「慰安婦強制連行説―強制動員を拡大解釈してはならない」(①)が該当しそうである。
一方、都合が悪いから「日本のいわゆる"良心的知識人"」(①)が「『黙殺』」(③)しているのか?
『反日種族主義との闘争』を読んで検討しないとわからないが、どちらもあり得る話だから難しい。