今日の導入は、以下略ちゃん™(@ikaryakuchan)さんが2021年6月4日19時51分にしたツイートである。
これはLGBTの自民議員の発言と同様に、議論の場での自由な発言を問題視してはいけません。持論を展開するのはかまわない。
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2021年6月4日
<独自>「50歳が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」立民議員が主張 https://t.co/wS9HWN0pET @Sankei_newsより
これを読んだ時は(なるほど)と思ったが、当ブログで再検討してみよう。
まず自由民主党議員がしたとされるLGBT差別発言について。Googleニュースで「LGBT 差別」で検索した結果は、
https://news.google.com/search?q=LGBT%E3%80%80%E5%B7%AE%E5%88%A5&hl=ja&gl=JP&ceid=JP%3Aja から。そこにある朝日新聞デジタルの「『種の保存にあらがう』*1自民議員のLGBT差別相次ぐ」(2021年5月21日 19時09分)によると(無料部分)、「『生物学的に自然に備わっている"種の保存"*2にあらがってやっている感じだ』」だとか「『(性的少数者の当事者も非当事者も)お互い我慢して社会を守る受忍義務がある』と主張。こうした『道徳的な価値観』を無視し、『差別があったら訴訟となれば社会が壊れる』との趣旨の発言」があったとされる。
まぁ事実誤認も甚だしいですなぁ。「『種の保存にあらがう』」*3って、そういう性的指向があるというだけの話である。なお、LGBTだから子を育てないわけでもない。Tech insight「【イタすぎるセレブ達】リッキー・マーティンがレアな家族写真を公開 “4児のパパ”として『てんてこまい』とも」(2020年7月2日15時45分)をご一読。
訴訟も恐れているようだが、それは訴訟してからの話。まさか、差別したいから訴訟が怖いんじゃないよね?
次に、立憲民主党議員の「50歳が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」という趣旨の発言については
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
にまとめた。
ところで産経新聞は、自由民主党のLGBT差別についてどう報じたか。産経新聞のサイトで「LGBT 自民 差別」で検索した結果は
https://www.sankei.com/search/?kw=LGBT%E3%80%80%E8%87%AA%E6%B0%91%E3%80%80%E5%B7%AE%E5%88%A5 だが、めぼしい記事は、「保守派異論、了承見送り LGBT法案*4、『差別』表記などに警戒感」(2021年5月20日21時42分、広池 慶一)くらいである。
その記事には、「『差別が許されない』」ことについての批判が載っている。
一方、立憲民主党議員の「50歳が14歳と同意性交で捕まるのはおかしい」という趣旨の発言についての続報として、「立民、本多氏対応で『身内に甘い』姿勢露呈」(2021年6月8日20時31分)という記事がアップされている。
それによると、
立民は政府与党の発言を厳しく追及してきた。自民党議員が5月20日の党会合で、同性愛者など性的少数者(LGBT)をめぐり「生物学上、種の保存に背く」という趣旨の発言をしたと報道された際は「あきれるばかりの差別発言がいくつも飛び出し、怒りを覚えた」(福山氏)と批判したが、「他者に厳しく身内に甘い」姿勢を露呈している
とのこと。
差別発言とそうでない発言を一緒にしており、滑稽である。
もちろん、差別発言が悪で、そうでなければ何をしてもよいというわけではない。しかし、LGBTに対する憎悪が感じられる(私見)発言と、正解のない中で一定の基準を設けることが合理的と思われることに関する発言では、前者の方をより非難するのは当然だと思う。
自由民主党応援団と目される産経新聞ゆえに、事の軽重の判断に狂いが生じたようである。