まずは①テレビ朝日ニュース「『日本に住む一般のロシア人を誹謗中傷しないで』林外務大臣」(2022年4月19日23時25分)をご覧いただこう。なお、以下はテキストの部分を取り上げる。
①によると、
林外務大臣は、日本に住む一般のロシア人への誹謗(ひぼう)中傷をやめるように呼び掛けました。
林外務大臣:「日本に住む一般のロシア人を、ロシア人であるという理由だけで排斥したり、誹謗中傷することは行わないように改めて呼び掛けたい」
(中略)
日本に住む一般のロシア人やロシア料理店などがSNS上で嫌がらせを受けていることについて、ロシア人というだけで誹謗中傷などしないように呼び掛けました。
あれ、朝鮮人*1に対して同様のことをしましたかな、日本政府、ならびに国会は?『最新 差別語不快語』(小林健司、にんげん出版、2016)によると、
1995年に人種差別撤廃条約を批准しながら、日本政府は、この条約にもとづく国内法を整備せず、21年間、放置してきました。その間に凄まじい勢いで拡大したヘイトスピーチは、とくに標的とされた在日韓国・朝鮮人の人々の生命を脅かし、日常の暮らしを侵し、耐えがたいダメージをもたらし続けています。/2016年5月24日、ようやく衆議院本会議で可決成立した「ヘイトスピーチ解消法」(以下略)
だそうで。あと、朝鮮学校*2の児童・生徒がチマチョゴリを切り付けられた時に、今回みたいな熱心さで呼びかけられた記憶はないんだよなぁ
*3。
ところで、読売新聞2022年4月25日統合版12版8面「気流」に、「欧米以外には無関心?」という投書があり*4、それによると、
ウクライナからの避難民を受け入れたというニュースを見た母が、「白人だから受け入れるんだろうね」とつぶやいた
とのこと。
実際はどうか。
筆者がざっと調べた限りでは、ウクライナからの避難民を日本がどれくらい受け入れたかは不明である。一方、難民については、出入国在留管理庁HPにあるpdfファイル「我が国における難民庇護の状況等」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001352475.pdf
が参考になる。絶対評価として難民認定が少ないと言える。なお、令和2年の申請者数が少ないのは、COVID-19対策ゆえと思われる。加えて条約難民の数がCOVID-19の影響がない令和元年より多いのは特記しておく。難民認定についてもマシになっているようだが、関心を持っておいた方がいいだろう。そのうえで、ウクライナの避難民については、読売新聞の投書にある「『白人だから受け入れるんだろうね』」が正しいかは保留する。