清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

Amazonレビューでもある 韓国アレルギー

 筆者は最近、鳥飼久美子さんの『異文化コミュニケーション学』(岩波新書、2021)を読み終えたが、そのAmazonレビューが興味深かったので、以下において説明する。

 

 興味深かったのは、評価の方ではない。批判的レビューの多いことである。

 

 それ自体は構わないのだが、韓国ドラマの紹介が多いことが気に入らないらしいのである。以下、引用する。なお、引用元は、『異文化コミュニケーション学』のAmazonレビューの、「すべての批判的なレビュー」をクリックしたところである(そうなっていない場合は、それを見つけてクリックしてください)。

https://www.amazon.co.jp/product-reviews/4004318874/ref=cm_cr_arp_d_viewpnt_rgt?ie=UTF8&filterByStar=critical&reviewerType=all_reviews&pageNumber=1#reviews-filter-bar

そして引用の順番は掲載順である。

 

〇届いてみて、読み始めたら、あっと驚いた。出てくる海外ドラマは、『愛の不時着』を中心として、ほとんどが韓国映画である(最後のほうで、欧米ドラマもちょっと出てくるようだが)。
おまけに、著者はすっかり韓国映画にはまっていて、冒頭から、『愛の不時着』への激しい愛情告白を聞かされることになる。これはたまったものではない。
〇私はというと、韓国ドラマには興味がなく、ほとんど観たことがない。もちろん、『愛の不時着』も観ていない。
〇帯をみたら、小さな字で「50を越える韓国はじめ海外のドラマや映画」となっていた。これはひどい。しばらくは読む気になれずに放置しておいた。
〇しかし、異文化コミュニケーションには関心がある。気を取り直して、目次だけ読むと、興味深い項目が並んでいる。それで、もう一度読み始めたが、やはり無理である。韓国ドラマの沼に足をとられてもがくばかりである。興味深い項目もすべてドラマと結び付けられているのでどうにもならない。(以上、美しい夏「 不正確で、読者の誤解を誘うような宣伝は控えてほしい、と今回は思った。」(2021年8月8日))

 

内容がほとんど韓国ドラマのことばかりで、何を伝えたいのかよくわかりませんでした。異文化コミュニケーション=韓国ドラマでのシーンと勘違いしてしまうほどの駄作でした。(以上、Kindleのお客様「 韓国ドラマのことを話しすぎて何を伝えたいのかいまいちわからない」(2020年5月20日))

 

読んでみて、まず韓国ドラマに馴染みが薄いと、中盤から読み疲れを覚えます。相当のトピックが韓流ドラマに紐づけられていて、そのスクリプトの解説に費やされており、ドラマのことを知らない、または韓流ドラマに興味がないと、読み続けることが辛くなってきます。(以上、村治孝浩「 韓国ドラマに親しみがなければ読み解けません」(2021年11月29日))

 

なぜ韓国ドラマ背景の北朝鮮と韓国を描いているのかよくわからなかったです(以上、aoao「 新刊ですけど……」(2021年7月29日))

 

 (こんなレビューを書く前に、韓国ドラマを観ればいいじゃん)としか思わなかった。観れば著者のいいたいことが分かろうというものである。著者の主張を理解する気もないのにレビューなんかするなよ、ということである。

 

 というわけで、当ブログの読者にとって有益だと思われるのは、今回紹介した鳥飼さんの本に興味があって読んだけれども、ドラマをほとんど観ていないというのであれば*1、『異文化コミュニケーション学』をきっかけとしてドラマを観た方が有益だということである。そうすれば、著者のいいたいことがわかるだろうし、面白いドラマがもしあれば満足できるだろうからである。

 

 鳥飼さんが『異文化コミュニケーション学』を書いたきっかけは本に譲るとして、英語と、英語圏の文化のみ学べば国際人であるかのような態度が問題であることがわかるいい本だと思う。また、面白いドラマは社会問題を取り扱っている場合があるということである。異文化コミュニケーションの話とズレるが、日本のドラマで社会問題を取り扱っている面白いドラマがあれば、ぜひコメント欄に。

*1:本に興味がないなら読む必要はない。また、一般論として「韓国ドラマを見ろ!」と言っているわけでもない。