清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

死刑は廃止に決まっているし 太陽光も必要だ

 今日(2022年12月20日)の読売新聞統合版の本・雑誌の広告から。

 

1.「新潮社の最新刊 死刑のある国で生きる 死刑廃止は本当に唯一の答えなのか 日米欧の現場を丹念に取材したルポ」*1

 

 この見出しは、2022年12月15日に発売された宮下洋一の著作、『死刑のある国で生きる』(新潮社)の広告だが、「死刑廃止は本当に唯一の答えなのか」を調査するのに、「現場」に行く必要はない。

 

 簡単なことで、世界人権宣言第3条「すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。」*2と、それを具現化した、市民的、及び政治的権利に関する国際規約*3第6条を取っ掛かりにすればよい。以下、市民的、及び政治的権利に関する国際規約第6条の全文を示す。

 

第6条

1 すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。

2 死刑を廃止していない国においては、死刑は、犯罪が行われた時に効力を有しており、かつ、この規約の規定及び集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に抵触しない法律により、最も重大な犯罪についてのみ科することができる。この刑罰は、権限のある裁判所が言い渡した確定判決によってのみ執行することができる。

3 生命の剥奪が集団殺害犯罪を構成する場合には、この条のいかなる想定も、この規約の締約国が集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に基づいて負う義務を方法のいかんを問わず免れることを許すものではないと了解する。

4 死刑を言い渡されたいかなる者も、特赦又は減刑を求める権利を有する。死刑に対する大赦、特赦又は減刑はすべての場合に与えることができる。

5 死刑は、十八歳未満の者が行った犯罪について科してはならず、また、妊娠中の女子に対して執行してはならない。

6 この条のいかなる規定も、この規約の締約国により死刑の廃止を遅らせ又は妨げるために援用されてはならない。*4

 

 なぜ世界人権宣言第3条を具現化した内容が、市民的及び政治的権利に関する国際規約第6条に結実したのかを調べればよく、別に現場に行く必要はないのである。つまり、現状では、「死刑廃止は唯一の答えである」という結論は何ら揺らがず、なぜそうなったのかの歴史を調べればいいだけである。無駄な努力でとんちんかんな本になってしまったようである。

 

2.『WiLL』2022年2月号(ワック出版局)の見出しの一つ、「小池都知事 太陽光パネル大暴走」

 

 この見出しは、東京都議会議員上田令子が書いた文章の見出しのようである。

 

 筆者の印象論だが、『WiLL』の読者になるような人は、太陽光発電について否定的なのは気のせいか。太陽光発電を作るのに太陽光発電のみでは難しいが*5、だからと言って太陽光発電を使わない方がいいとも言えないような気がする。もっとも、太陽光パネルやバッテリーの寿命を知らないので断言はしかねるが。

 

3. 別に世界の流れに乗らなければいけないわけではないが、世界の流れになるということは、それなりの合理性があるわけで*6、それを否定的にとらえるのはいかがなものかと思い、本エントリーをアップする次第である。

*1:読売新聞2022年12月20日統合版13版2面。

*2:外務省HP「世界人権宣言(仮訳文)」による

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.html

*3:国際人権規約B規約ともいう。

*4:外務省HP「市民的及び政治的権利に関する国際規約」より。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2c_004.html なお、「第六条」を「第6条」に改めた。

*5:筆者は『Numbers Don't Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!』(バーツラフ・シュミル、NHK出版、2021)からヒントを得た。参考までに筆者のAmazonレビューを。「数字を どう読み解くべきか わかる本」(

https://www.amazon.co.jp/review/RC3VTLEKG627W/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4140818530

*6:もっとも、原子力発電もやめて太陽光発電などの再生可能エネルギーのみにすべきだ、と主張するわけではない。