清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ニート利権の 批判がずれてる 週刊ポスト(続き)

1、はじめに
昨日の記事で「若者自立塾」の名前を出しましたが、無関係でした。関係者各位にお詫び申し上げます。ただ、「若者自立塾」のやり方に根拠があるのかはよくわからないという趣旨の記事を変えるつもりはありません。

2、さて、今日、週刊ポストを立ち読みしたが、記事の内容を一言でいうと、とある農業専門学校でフリーターやニートのコースを作って農作業を教えているのだが、参加者が少なかったり(3人)、逃げ出したり、期間が短かったり(3ヶ月)で、有効でないのに多額の税金が使われているのは無駄だということである。

3、私が要約した記事の内容は問題はない。しかし、内容を吟味すると、悪いところばかりが目立つ。以下、思いついたままに書いてみる。
(1)農業に関する職業訓練を取り上げているが、そもそも論として穀物自給率を上げるためには(ちなみに、私の使っている地図帳(『新詳高等地図 最新版』(2005年10月発行 帝国書院))によると、日本の穀物自給率は30.9%で、平均の42.7%におよばない(p113))、農業の技術を持っている人材は必要なので、職業訓練としての意味はある。
(2)ただ、フリーターコースやニートコースという振り分けは不要ではないだろうか。なぜこのような振り分けがなされているのかわからない。
(3)内容の中心はもっぱらニートの失敗談で占められているので(たとえば、「1人は逃げ出す」、「ニートに農業がつとまるわけがない(一般論としてそういえるかはわからない)」、「(雑草が繁殖し、害虫が蔓延すると近隣の農地に被害が及ぶので)農地に引きこもったら困る(本当はニートのみならず、農業に携わる人ならすべてその可能性がある)」)、結局本来書くはずの公費の無駄使いの告発よりニートバッシングに主眼をおいているといわれてもしょうがない出来になっている。
(4)3ヶ月コースや6かコースは要検討だと思う。

4、この悪いところの特に3、(3)がなぜ良くないのか、すなわちニートバッシングのどこが良くないのかというと、
(1)まわりの人間が偏見を持ち、結局ニートの就職を難しくさせるから(「農業がつとまるわけがない」と思っている人が本気で農業を教えたりできるか?あと、この記事を見たあとでニートを雇う気になりますか?)。
(2)本来問われるべきところが問われなくなるから(雇用政策や社会保障をどうするかではなく、ニートの自己責任論や心の問題(一般論として、人の心を変えるのは難しい)に摩り替わってしまう)。
これらの理由により、現実の問題を解決する方向に向かなくなるからである。

5、所詮『週刊ポスト』は、ヘアヌードを載せていた雑誌だがら(谷岡一郎『社会調査のウソ』p89では「ヘアヌードを載せていた」週刊ポストなど相手にされていない(平成12年時点では週刊ポストヘアヌードを載せていた))、記事の内容もお粗末なのだろう。