清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

橋下さん 橋の下から やりなおし?(5)

橋下さん 橋の下から やりなおし?(4)の続きです。

「ブルーム卿の刑事弁護の真髄」によると、「刑事弁護人は被告人の利益のためなら被害者遺族や世間に迷惑をかけてもいいんだと言い切っています。」(中略)しかし、今は「もはやそのような時代ではない。被告人の利益を最大限に図りつつも、被害者遺族や世間にも配慮しなければならない」→ブルームさんのには一理あるよ。被害者や世間が委任してるんじゃないからな。あと、「もはや」以下は、「被害者遺族や世間にも配慮しつつ、被告人の利益を最大限に図」らなければならない、というのが正しい。なんか、橋下センセ、勘違いしてないか?

「弁護士が被害者遺族や世間に対してそのような配慮を欠いた場合、どうやってその弁護士を是正させるのか?それは強大な弁護士自治を弁護士に認めている現行法上、懲戒請求しかないではありませんか?」→これも違う。やはり、日頃からの法教育が必要ですな(刑事弁護人の役割を理解していれば、被害者遺族だって世間だって今以上には怒らなかったのではないか。それを橋下先生にやってもらいたいんだけど)。

「橋下(先生)の発言に違法性があるとすることで十分でしょう。」→訴えられてるの、橋下先生だけでしょ。もし違えば、懲戒請求者全員、ならびに読売テレビも被告でしょう。自分の訴訟も忘れるなんて・・・・。

「今枝弁護士以外の原告はもう古来の弁護士像に凝り固まっている改心不可能な弁護士でしょうが、今枝弁護士はまだ改心可能でしょうし、」→橋下さん、いつの間に宗教家になったの?以前、「カルト弁護士集団」って書いていたけど、橋下さんのほうがカルトの教祖みたいだな。

「法知識を技術的に使用するだけの専門的判断ではすまない、依頼者(被告人)と社会(被害者遺族、世間)の双方について、生きた人間への配慮が求められている」→そりゃそうだけど、配慮して事実を争っちゃいけないの?

「もし死刑になったらどうするのですか?被告人にとって現弁護団の弁護活動が本当によかったと言い切れるのですか?(中略)被告人が無期懲役になれば、あのような記者会見を開くことも許容されるのでしょう。しかし、この段階で、胸を張れると言い切るのは、それは今枝弁護士が、自分のために光市母子殺害事件の弁護をやってきた端的な表れです。」→「今枝弁護士が今枝弁護士が、自分のために光市母子殺害事件の弁護をやってきた」かはさておき、これは正しい(批判ばかりしてもねぇ。私だって正しいことは指摘する)。

「社会が弁護士に対して、また刑事弁護人に対して、偏見と誤解を持っているというのは、社会の責任ではない」→これは半分正しく(弁護士が特別授業をすべきと思うから)、半分間違い(きちんと刑事弁護を教えるべき)。

最後のほうで、橋下さんや橋下さんの意見に対する偏見・誤解があったことを認識したが、やはり、刑事弁護人に被害者や世間への配慮を求めるのは、検察官に被疑者・被告人への配慮を求めるより難しいと思う(公益の保護者と、被疑者・被告人の保護者の違い)。橋下さんの話って、結局「被告人なんかどうでもいいからさぁ、世間や被害者の方が決めるんだよぅ」としか言っておらず、それは間違いだと思う。そんな間違った考えを基調として、懲戒すべきだとTVで語ったのは、やはり問題があったといわざるを得ない。

(追記―2007年10月5日記)
元検弁護士のつぶやき、2007年10月02日「橋下弁護士に対する公開質問状」(http://www.yabelab.net/blog/2007/10/02-224559.php#more)は、光市母子殺害事件弁護団懲戒請求騒動についての現時点での決定的批判といえる。ぜひご一読を。