NPB(プロ野球)の最優秀バッテリー賞に、東北楽天ゴールデンイーグルスの岩隈久志投手と藤井彰人捕手が選ばれたという(パシフィックリーグ。ちなみに、セントラルリーグは、読売ジャイアンツのセス・グライシンガー投手と、阿部慎之助捕手)。
セントラルは当然として、パシフィックの方は、藤井捕手の出番が限られている現状としては、快挙だろう。
岩隈投手と藤井捕手のバッテリーは、2004年に岩隈投手が最多勝を取った時のバッテリーでもある(このときは、今年引退した的山哲也捕手(ソフトバンク)が、同じく今年自由契約になったジェレミー・パウエル投手(同)や、ケビン・バーン投手(元ロッテ)の時にマスクをかぶったので、的山さんを外国人専用捕手と思ったものだ)。
楽天でも結構組んでいたと思うが、今年は、岩隈投手の方から指名したと聞く。
正直言って、プロとしてどうかと思ったが、言った手前もあったのか、岩隈さんは気合、球のキレ、ともに抜群で、21勝をしたのはご存知の通り。
藤井捕手は、野村克也監督のリード面の評価が私が思ったほど高くはなく(野球センスは高く買っているようで、楽天の野手の中で唯一二軍経験がない)、なおかつ土台作りのために嶋基宏捕手などを育てる関係で、マスクをかぶる機会が私が思ったほど多くはなかった。しかし、投手からの信頼は抜群で(朝井秀樹投手も藤井捕手を指名したが、ダメだったと聞く)、それが岩隈さんのときに特に生きたということなのだろう。
藤井さんとしては、チームの成績も悪く、思ったほど出番もなくで、あまりいい年でなかったと思いきや、最後にプレゼントが待っていたといったところか。
来期の楽天の捕手は、藤井、嶋、井野、伊志嶺(敬称略)といった捕手の激しいポジション争い、ならびにレヴェルアップが期待される。その中で、藤井さんがどのような活躍をするか、楽しみである。
*なお、この記事は、読売新聞2008年10月17日朝刊25頁(仙台では)を参照しました。