清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

曽野さんは 非人間的 物書きか

私事で恐縮だが、最近、ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』(筑摩書房)を読んだが、それによると、読んでいない本でも語っていいようなので、これからは堂々と語ることにしよう(もちろん、語るには読んだ方がよいと私は思うが)。

その第一弾は、曽野綾子さんの『貧困の僻地』(新潮社)。

本屋でオビを見ても酷かったが(メモしていないので、各自確認されたし→2009年5月23日に確認したところ、「「これが海外の「貧困」の現実だ/(原文改行の意。以下略)日本に「格差」など/あるといえるのか。」)、読売新聞2009年5月22日朝刊2面に載っていた宣伝文句も酷い。

いわく、「日本の「格差」を哂い飛ばす衝撃のレポート・エッセイ」。

もちろん、「僻地」に住んでいる方の生活に同情を寄せることを否定はしない。

しかし、現に日本で生活している、とりわけ、「格差」に苦しんでいる人にとっては、励みにならないどころか、自らの生活の向上の否定ととられかねない(「僻地」の人も苦しいのだから、お前も我慢しろ!となりかねない。また、物価の問題もある)ので、有害である。

また、「僻地」の人にとっても、先進国の日本だっていろいろあるんだと、向上の意欲(一生懸命生きているであろうことは承知しているつもりだが)をそぎかねない。もっとも、世界中の人間が発展すると、地球がどうなるか、という別の問題はあるが(もちろん、「僻地」の人が発展しなくていい、というわけではない)。

以上のようであるから、どうやら、曽野綾子さんは、非人間的物書きのようだ。