清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ニートはね 増えたが減ったよ フリーター

asahi.comニート2万人増え64万人 25歳以上で顕著」(http://www.asahi.com/national/update/0703/TKY200907030132.html
によると、「仕事に就かず学校にも行っていないニートは08年は国内で64万人になり、前年より2万人増えた」が、「08年のフリーター(15~34歳)は前年比11万人減の170万人。最も多かった03年(217万人)から5年連続で減少した」という。

まぁ、経済状況の激変の影響が一番大きいんじゃないか?いわゆる金融危機前は、好況だったのに、急激に不況になった(だから、フリーターの求人が減り、ニートが増える)のも大きいんじゃないか?

ただ、この記事、結構疑問がある。

まずニート。なぜ15歳から34歳までだろう。そもそもは、イギリスにおいて、学校から就労への移行のために作られた概念のはずで、広すぎる。また、無業者をあえてカテゴライズする意味も乏しい(古いが、本田由紀ほか『ニートって言うな!』(光文社新書)などを見ると、非求職型が多いとのことで、「あえてカテゴライズする意味も乏しい」と書いた)。カテゴライズ自体が悪くないとしても、単なる叩きでは、意味がないと思う(むしろ、ニートが正しいとして、なぜ進学、就職、職業訓練、どれもしないのかを考え、これらの選択肢を魅力的なものにすることに頭を使ったほうがいいのではないだろうか)。

白書、ならびにこの記事に代表されるマスメディアは「キャリア教育の強化」(上記asahi.com)を効果的なものとしたいが、フリーターの場合は、条件の問題なので(きちんと教育をしても、求人がアルバイトやパートばかりなら意味がない)、理由にはならない。ニートだって、病気などの場合もあるので、究極的には教育が効果的とはいえない。不登校や中途退学と相関関係がある(ので、教育を強化する)としても(こういう説もあるが、みんなそうなるわけじゃないんだから、過度に恐れる必要はない)、不登校などがなくなった暁にニートがなくなるという根拠がないから(不況で仕事がないので諦めるのを防げるか?)、ニート対策の「キャリア教育」も根拠に乏しいと思う。

そもそもキャリア教育のない時代って、そんなにフリーターやニートが多かったのか?調べていないが、そんなことがあるとも思えない。キャリア教育は、直接的効果ではなく、せいぜい生徒のモチベーションアップに貢献すればいいぐらいの気持ちでやればいいのではないか?もっとも、強制労働(憲法第18条で禁止)の問題はクリアできていればいいが。

読者としては、安易にフリーターやニートを叩くのではなく、教育を過度に評価するのでもなく、労働条件やインセンティブの点でどうすればいいかを考えた方が有益ではないだろうか。