清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

優秀なら 法科大学院 行かないよ

読売新聞2009年9月11日朝刊1面と34面に、新司法試験のことが載っている。弁護士増員は、事後監視社会に進む日本社会にとって大事なことであるから、このエントリーでは、2009年の新司法試験について取り上げる。

1.データ

々膤兵圓錬押ィ娃苅蛙佑如⊇蕕瓩徳闇(2,065人)を下回る。

合格率は27.64%で、前年(32.98%)を下回る(上記読売新聞34面によると、「新司法試験は、当初は法科大学院修了生の7~8割が合格する想定で制度設計された」とのこと。つまり、想定より大幅に低い、ということ)。

A枋蟾膤兵埒瑤錬押ぃ毅娃或諭腺押ぃ坑娃或佑世、今年はそれを下回った(昨年は初めて想定合格者数(2,100人~2,500人)を下回ったが、2年連続)。

ぢ膤悗遼ヽ愽出身者などの合格率(既修コース。2年制)の合格率は38.67%で、社会人出身者などの合格率(未履修コース。3年制)は18.67%

2.私見による解釈

 銑より、法科大学院教育の絶対的な(旧司法試験と比較していないので)質の低さを露呈している模様。数でも率でも、法務省司法試験委員会のメガネに適う人材が少ないということである。もっとも、法務省の言い分が妥当かはわからないが(以前は、司法修習所の容量の問題などで、合格者数を絞ったと言われてきた)。

い茲蝓∨[С悗任癲一般的には若いうちに学んだ方がよい可能性があるということである(前田雅英さん(刑法学者)が似たようなことを言っていたのを見たことがある。なお、団藤重光さん(刑事訴訟法・刑法学者)は、田しか、若ければいいわけではないと言っていたはず)。

3.上記読売新聞34面を読んで

中村亜貴記者の解説をヒントに検討する。

「「今回の結果は、法科大学院の教育が危機的な状況にあることを示している。質が確保できていなければ、合格者を増やすことなど出来ない」(ある法曹関係者)」→同感である。学者にしろ、実務家にしろ、所詮は伊藤真さん(伊藤塾)をはじめとした予備校の先生にはかなわないということなのだろう
(もっとも、データを詳しく見たわけではないが)。

法科大学院が74校も設立され」たのは悪くないだろう。学校が多ければ、法曹志望者の選択肢も増えるし。むしろ、「法科大学院修了生の7~8割が合格する想定」が不自然だということなのだろう(想定人数の問題などがあるので。合格率を上げるために大学院を減らすというのは、ごまかしだろう。もっとも、一定の合格率が出せない学校は、閉鎖すると聞く)。

「優秀な人材が法曹への転身を敬遠し始めている」というのはデータからは読み取れない。そもそも、「優秀な人材が法曹への転身」をするというストーリーの方がおかしいだろう。「優秀」ならば、合格者数が増えれば、競争が激しくなるので、敬遠することぐらい想定できよう。また、「優秀」ならば、会社などでも出世でき、わざわざ法曹は目指さないだろう(もっとも、企業内弁護士は増えているようだが)。

「現状で考えられる打開策は、各法科大学院の思い切った定数削減や統廃合だ」→これでは、志望者としては、たまったものではないだろう(勉強もさせてもらえないのでは。もっとも、法科大学院に行かなくても受験はできるが、法科大学院より、おそらく茨の道)。よほどのことがない限り、志望者には司法試験を受験させて、ダメならばどう転身させるかを考えたほうが自然だろう(山田昌弘さんならば、旧司法試験であれば、大学院進学のように、親が自営業者ならば何回でも受験していいが、それ以外なら、法律事務所でアルバイトするか(この部分は私見)、諦めるかしたほうがよいとアドバイスしただろう。なお、法科大学院卒がどれくらい評価されているのだろう?)。あと、「思い切」るならば、単位不認定と退学だが、どのくらいなのだろう(アメリカのビジネススクールでも、出席していれば、単位不認定や退学はないそうだ。『ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場』(フィリップ・デルヴス・ブロートン 日経BP社)参照)?

「地域の法曹を育てるという存在意義がある地方の大学院に配慮」すべきだとは思うが、いきなり地方の人が法曹になるために、高い金を払って法科大学院に行こうというのが現実離れしているのではないか?

私見では、法科大学院自体が現実から遊離しているので、可能ならば、制度をやめてしまって、旧司法試験のように、学歴不問で、合格者を増やすのがいいだろう。何回も受験して人生を棒に振っても、それはその人の責任。それがもったいないなら、事業者になって、貴方が雇えばよい(元受験者が事業者になってもいい)。