清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

問題は 一票の格差 だけなのか?

読売新聞2011年4月24日朝刊12版23面(仙台では)に、「一人一票実現国民会議」(URLは、http://www.ippyo.org
に意見広告が載っている。

一人一票それ自体は賛成する。しかし、問題をそれだけに矮小化するのはいかがなものか? 以下においては、読売新聞2011年4月24日朝刊12版23面から引用する。

「米国、韓国は、一人一票の保証のもとに、多数の人口が大統領を選び、大統領が行政を支配しています。現状の日本が、競争の激しい世界市場の中で、米国、韓国に伍してゆくことは悲劇です」って、何で大統領制を提言してるの? また、アメリカの上院って、各州2名なの、知ってました? 一票の格差が甚大であるアメリカの制度をスルーするのでは、アンフェアである。

「300の衆院小選挙区で、1票の不平等を1票対0.99票まで縮減できます。146の参院選挙区では、1票対0.999991票まで縮減できます」って、大統領制は提言しているのに、今の日本の選挙制度はそのまま温存なのですか? 特に、小選挙区の場合、過半数の得票がなくても、過半数議席が作れることがあり(2009年の衆議院議員総選挙において、民主党小選挙区の得票率は47.43%だった。「菅政権 過半数のね 支持がない 」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/51880992.html
、ならびに「衆院選[第45回, 2009年]の開票結果を読む+選挙制度を考える」(http://deztec.jp/design/09/09/01_politics.html
参照)、これはこれで問題のはずなのに、そんな制度を前提とするのはいかがなものか。

ところで、日本は二院制である。二院制であれば、一方の議院は一票の格差が厳しく求められるが、もう一方ではそれほどでもないのはふつうである(アレンド・レイプバルト『民主主義対民主主義―多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究』(勁草書房)をご一読を。この部分だけでなく、どのような統治機構を採るべきかを考えるうえで必読だと思う)。どちらも一票の格差を厳しく求めると、何のためにそれだけ選挙をしなければならないのか? 議院は一つでよいのではないか?

最後に、私見というわけではないが、一人一票実現国民会議が今後提唱すべきことは、一票の格差の是正ではなく、全国区、比例代表一院制の導入である(これなら、一票の格差はそもそも生じない)。