まずは書籍の紹介。『社会主義の誤解を解く』(薬師院仁志、光文社新書、2011)が面白かった。日本では「アカ」と蔑まれる社会主義の何たるかの一つの理解を得る好著である。一読を勧めたい。
その本に、「議員報酬の制度がなかったので、無給でも困らない富裕層ばかりが代理士となり、一般庶民は被選挙権を奪われているも同然であった」(p174 l9~)とある。
著者の説だとは言わないが、議員報酬には、一般庶民が政治に参加できるといったメリットがある(ような)のである。
最近は、報酬減がブームとなっている。河村たかしさんの「減税日本」などが最先端で、名古屋では相応の勢力を保っているらしい。
しかし、河村さんの狙うところは、「政治は金持ちがやるから、ビンボー人は黙ってろ!」というものらしい。
財政の問題はそれなりに理解するが、改革することによりデ・メリットは直視したほうがいいだろう。
供託金の問題があるが、一般庶民が政治に直接参加するには、お金が欠かせない。そのためには、議員報酬も一理ある。安易な報酬減の賛成をする前に、少々考慮することを求めたい。