清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

無期刑囚 取り扱った 報道だ

仙台89ERSのホームタウンなのに、せっかくの復興試合を仙台市体育館に観にも行かず、一日中家にいた、昨日の土曜日。
 
BSフジで中継(15時55分~18時20分ぐらい)を観たが(批判はあろうが、テレビ中継のある時は、会場に行かないのが私なりの行為規範と思ってよい)、その裏番組に当たる、TBS系全国ネット「報道特集」(17時30分から18時50分)が興味深い内容だった。
 
興味深かった内容は、以下の3つ。
 
第1に、北朝鮮制作の映画祭がドイツで行われたこと。ドイツは北朝鮮と国交があるという。日本との国交正常化をしろ、という趣旨ではないが、国交があるほうが、一般論としては双方にメリットがあるものである。人間は社会的動物の国家版、とだけ書こう。もちろん、北朝鮮の映画がレベルが高い、などと書くつもりもない(ワンパターンなんだって)。
 
第2に、三重県亀山市で起こった、野良猫察処分騒動。映画『犬と猫と人間と』で観ていたので、二酸化炭素を入れて殺処分をすることにショックは受けなかった。ただ、骨まで見せられたのは意外。もちろん、地域住民にも好みがいろいろあり難しいが、殺処分即解決とはならず、不妊・去勢手術をしたほうが効果があるらしい(島根県の事例)。育てる過程から何らかの法規制が必要だが、野良猫を見かけたら、可能な限り寛容の精神を持つ方が、いい解決につながるかもしれない、と思った。ただ、病気等で、殺処分ゼロ、ということにはならないことも頭に入れたほうが良い。
 
第3が本題。そもそも、いつもは観ない「報道特集」を観る気になったのは、「独占取材 無期懲役囚の実態」を観たかったからである。
 
全国の無期懲役囚は、番組によると1,800人ぐらいだという(当然のことながら、これより多い被害者・遺族がいる、ということも含意する)。厳罰化が進み、無期懲役囚が収容されている、岡山刑務所は、介護施設のように(も)なっているとか。
 
運動の時間は毎日30分で、懸垂や腕立て伏せ、ソフトボールをやっている。これを見て「運動する時間がないのに、受刑者が何で…」というのはとんちんかんで、己の努力不足を認識すべきである(自由時間はたくさんあるのだから、時間ぐらい作れよ、ということ)。運動能力は結構ある人がいるようで、その原動力(の一つ)は出所することだという。
 
もちろん、出所することがかなわずに死んでしまう人もいる(最近は、新規無期懲役囚の過半数が刑務所で死亡するらしい)。凶悪犯罪をやったのだから仕方がないが、家族と縁を切られ、引受人もおらず、刑務所で葬儀を済ませ、無縁仏になる(人がいる)という。仕方がないと思う気持ちの何分の一かはかわいそうだと感じたし、普通の視聴者ならそうだと思う。
 
TBS(東京放送)の製作者がそう思っているだけかもしれないが、悔やみきれない後悔の念と、生きて刑務所に出たいという執念を持って、受刑者が暮らしているという。
 
提言を伴うところがなく(これは賛否両論。後述)、被害者・遺族への言及もあるので、興味のある方には満足してもらえる出来になっていると思う。
 
私が見て思ったのは、よく、仮釈放なしの終身刑を設けるべきだ、という人がいるが(厳罰化の一環としても、廃止への一里塚にしても)、大概の人は希望を持って生きているわけだし、希望を奪うというのはどうか、と感じてしまった(ハワード・ゼア『終身刑を生きる―自己との対話』(現代人文社、2006)によると、終身刑囚は、短期受刑囚に比べて精神が安定しているそうだが、ゼアさんも終身刑は反対だそうである)。仮釈放なしの終身刑導入は必要なく、今の無期懲役刑でいい、と思った。釈放の可能性もあるし、被害者・遺族の意見も聞く運用になっているので、現在の無期懲役刑の運用は、受刑期間が長いという、どちらでも取れる状態以外は、おおむね妥当だと思うからである。