2012年2月24日23時3分配信の
MSN産経ニュース「大学生の4人に1人「平均」分からず 数学基本調査、論理力欠如明確に」(上からアクセス)によると、「大学生の4人に1人は平均の意味が分からず、
マークシート入試が中心で論理的思考力が低下している-。
日本数学会が24日、発表した大学生数学基本調査の結果から数学に弱い大学生の実態が浮き彫りになった」という。
それで?
もちろん、何事もできたほうがいい。
しかし、肝心なのは、大学で何を学んだか、だろう。肝心なことを外して、入り口だけに矮小化する議論は、いかがなものだろうか?
それだけ
日本数学会は、影響力の強い学会だ、以上のものはないだろう。
もちろん、高校の卒業要件をどうするか、という議論はありうる。留年の活用が是か非かは難しいが(以前、
苅谷剛彦さんの本を読んだことがあるが(題名は失念)、実際にできる人だけ卒業とすると、不都合があるらしい)。
これが、大学生の
学力低下の証拠とするのは悪くないとしても、だから進学を抑制すべき、と考える人はいないが、そのような議論はまずい。『世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう 』(眞 淳平 、岩波ジュニア新書、2010)、ならびに『「習慣病」になったニッポンの大学―18歳主義・卒業主義・親負担主義からの解放 (どう考える?ニッポンの教育問題)』(矢野 眞和 、
日本図書センター、2011)をご一読。日本の大学進学率は、決して高いわけではないことがわかろう。