②中国新聞「首相の指示権認めず 原子力規制委で民自公合意」('12/6/12。http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201206120044.html )によると、「原子力の安全規制を新たに担う「原子力規制委員会」の設置関連法案をめぐり、事故を起こした原子炉への緊急時の対応について、民主、自民、公明の3党が、首相の指示権による介入を認めない方向で合意したことが11日、分かった」という。
①と②は、同じことを言っていることは、読めばわかるが、あえて②を読み進めると、「協議では、民主が国の危機管理の最終手段として、規制委の決定を覆すことができる強い指示権限を首相に残す必要性を強調。一方、自公は東京電力福島第1原発事故で菅直人首相(当時)の現場介入が混乱を招いたとして“政治介入の排除”を求めており、民主が譲歩した。/原子炉格納容器の圧力を下げるベントや、原子炉の温度を下げるための注水などの技術的判断は、原子力の専門家で構成される規制委が行う。当初から民主と自公で争っていなかった放水などに伴う自衛隊や警察、消防の出動要請への権限は、規制委の技術的な判断を前提に従来通り首相が持つ」とのこと。
これは難しい問題だ。もちろん、専門家の方が、正しい決断にたどり着く可能性が高いとは言える。
しかし、最終的に国民の生命と安全に責任を持つべき内閣総理大臣(本エントリーの「首相」と同じ意味)が、防衛の場合にも持っている最高指揮権を(自衛隊法第7条)、原子力発電所の場合には持てない(技術的判断の指示権が排除されているから)、というのは、解せない。
もちろん、首相が専門的見解を尊重するのが一番いいのだろうが、だからといって指揮権を排除するというのは、行き過ぎだと思う。