清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

被害者と 言えば通るか わからない

読売新聞2013年3月5日朝刊13版37面に「被害者保護に法の壁」と題した記事があり、興味深かったので、紹介する。

 
茨城県警が1月で同県内で摘発した営利目的等略取未遂事件」(「被害者保護に法の壁」)において、逮捕状は実名を伏せたが、「地検は、起訴状には実名を記載」(「被害者保護に法の壁」)したという。
 
一方、兵庫の「ストーカー規制法違反などの」(「被害者保護に法の壁」)事件において、兵庫県警は「逮捕状の被害者名は伏せ、本人の顔写真を添えた」ところ、「神戸地検姫路支部は、起訴状では被害者名をカタカナで表記した」という。
 
このように、逮捕状は匿名、起訴状は実名、といった傾向があるが、逮捕状の場合は「被疑事実の要旨」(刑事訴訟法第200条)を書けばいいだけでなく、現行犯逮捕もできるが(読者の皆様も。刑事訴訟法第213条)、起訴状の場合は「公訴事実は、訴因(刑事訴訟法学者(早稲田大学大学院法務研究科教授)の田口守一さん(プロフィールは、http://www.waseda.jp/law-school/jp/about/faculty/profile/taguchi.html )
 の日本大百科事典(ニッポニカ)で確認。清高補足)を明示してこれを記載しなければならない。訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない」(刑事訴訟法第256条第3項)とされるのが大きいのだろう。
 
どこまで特定すればよいか(カタカナ書きはいいのか、など)、被告人の防御権や「『示談』」(「被害者保護に法の壁」における渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)のコメント)の問題など、複雑な利益衡量が必要な話で、被害者の立場に立ってみろ、という単純な話ではなさそうだ。