清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

投書欄 哲学の違い あったんだ

以前、『朝日新聞のトンデモ読者投稿』(朝南 政昭、晋遊舎ムック、2007)を読んだが(私のレビューはhttp://www.amazon.co.jp/review/R1CSZEO2HJ35SO/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4883806162  )、朝日新聞毎日新聞、一部地方紙しか取り上げていないので、アンフェアな本だと思ったが、そんな単純な話じゃないらしい、という話。

 
私は、『週刊東洋経済』に連載中の、佐藤優「知の技法 出世の作法」をよく読むが、その第339回(2014年4月19日号)と第340回(2014年4月26日号)のテーマが新聞の投書。
 
まず第339回で朝日新聞の投書を主に検討して、第340回で読売新聞などの投書を検討しているが、本エントリーでの議論の展開においては第340回だけの引用で十分なので、以下において第340回を引用しつつ検討する。
 
週刊東洋経済』2014年4月26日号p102によると、「社論に合致した内容の投書」は朝日新聞のほうが読売新聞より多いという(つまり、読売新聞だって、少ないながらも「社論に合致した内容の投書」がある)。読売新聞は、朝日新聞より「読者と密着した投書」(p103)が多いという。私は紙の朝日新聞は読まないのでこの見解が正しいかの判断は保留する。
 
それはさておき、それでは読売新聞は「社論」をどう伝えるか。それは「解説」(p102)なのだそうだ。
 
朝日新聞は社論を投書を通じて伝える傾向があるからと言って、それが即偏向ということにはならないし、読売新聞に朝日新聞のような投書が少ないのは投書欄の哲学の違いにすぎないことが分かって有益であった。
 
佐藤優の労作に対し、『朝日新聞のトンデモ読者投稿』はただの手抜き文献にすぎないことがわかったから、捨てられちゃうんだろうな。
 
*文中敬称略