「新潮社に お似合い中国 北朝鮮」(
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
)で、『新潮45』2018年7月号の見出しを批判したが、今度は論文自体が否定的に話題になっている。
『新潮45』2018年8月号、杉田水脈「『LGBT』支援の度が過ぎる」というのが物議をかもしている。今日の朝日新聞社説「LGBT 自民の認識が問われる」(https://www.asahi.com/articles/DA3S13604333.html
まず、朝日新聞や毎日新聞がLGBTを取り上げることが多いそうだが(今日の社説でも取り上げられているが)、「発行部数から言ったら、朝日新聞の影響の大きさは否めない」(p57)という。『新潮45』2018年8月号の特集が「日本を不幸にする『朝日新聞』」(新潮45|新潮社(http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/
p58に移り、杉田さんは、日本社会はLGBTに「寛容な社会だったことが窺え」るのだそうだ。しかし、杉田論文の限りでは全く窺えないなぁ(根拠がないのと、杉田論文が「寛容」ではないから)。
続けてp58、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるというものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」が、特にいろいろな人を刺激したようだ。しかし、異性愛者に限って婚姻届で税金を使って、他の性的志向(「指向」の誤りでした。お詫びして訂正。2018年8月25日)の人には使わないというのが不公平だろう。なお、子供云々で言えば、所得制限はあるが、児童手当というものがある。だから、カップルと関係ない。
p59に移り、「LGBT と一括りにすること自体がおかしい」とあるが、たしかp58では「LGBTだからと言って(略)気にせず付き合えます」と書いていあるけど、ずいぶん気にするんですなぁ。それこそそう言われているということで気にしなければいいのに。
更にp59で「『これ(同性愛)でいいんだ』と、不幸な人を増やすことにつながりかねません」って、やっぱり気にしているんだ…・。
で、前述の通り、『新潮45』2018年8月号の特集は「日本を不幸にする『朝日新聞』」、だから「朝日新聞の記事で『高校生、1割が性的少数者』」と書き、そこから「世の中やメディアがLGBTと騒ぐから、『男か女かわかりません』という高校生が出てくる」と評価する。出てきたら何か不都合でも?気にしないんじゃなかったの?
p60に移り、「自分が認識した性にあったトイレを使用することがいいことになるのでしょうか」と、やっぱり気にしている。さらに「Tに適用されたら、LやGにも適用される可能性だったあります」だって。杉田さんは、LGBTの意味が分からないで書いてしまったようだ。LやGは性においては肉体と認識が一致しているんですけど。
更にp60で「多様性を受け入れて、様々な性的志向(「指向」でした。筆者のミスです。お詫びして訂正)を認めよということになると、同性婚の容認だけにとどまらず、たとえば兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ(略)ペット婚を認めろ、機械と結婚させろという声も出てくるかもしれません」だって。それで何か問題でも?もっとも、そういうことでもないが。
最後に特集に合致させようとしたか、p60で「朝日新聞が『LGBT』を報道する意味があるのでしょうか。むしろ、冷静に批判してしかるべきではないのかと思います。/『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません」と締める。しかし、コトバンク「LGBT」の、日本大百科全書(ニッポニカ)(https://kotobank.jp/word/LGBT-192043#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29
これだけ馬鹿げた論文がよく新潮社で通ったなぁ、というのが感想。杉田さんの国会議員生命の終了が近いことと、新潮社のレベルの低さがよくわかる話だった。
*ウェブサイトは2018年7月25日アクセス。
**2018年8月25日に訂正。