清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ヘッドコーチ 代えて悪くなり? ナイナーズ

2016年から始まったBリーグ、全国的にますます盛り上がっているようだ。NHK-BS1やBS12の中継もあれば、「熱血解剖!Bリーグ」(NHK-BS1)や、「マイナビ Be a booster! B.LEAGUE ウィークリーハイライト」(BS11)といったダイジェスト番組もある。bjリーグNBLが並立していた時とえらい違いだ(NBL関連の番組がなかったのはなぜなんだろう?)。

 
また、書籍も増えているようだ。
 
ただ、にわかに、人まねでも、バスケットボールを分析する人がどれくらい増えたかは定かではない。そこで(?)筆者がその実例を示そう。もちろん、実際のアナリストや解説者、競技経験者から見れば(稚拙だ)と思われること承知で。
 
筆者は仙台在住なので、B1リーグが熱戦を繰り広げても、B2リーグや、それに所属している仙台89ERS(以下、「仙台」とも表記)の動向が一番気にかかる。
)の「仙台89ERS」のカテゴリー(スポーツのところに矢印を合わせれば出てくる)を見ればわかると思うが、今年の仙台は、オルー・アシャオル選手の膝のけがをはじめ、大なり小なりけが人続出で苦戦を強いられている。そこで仙台は、2018年01月04日木曜日の河北新報「<B2仙台>後藤監督を解任 後任は高岡コーチ」(http://www.kahoku.co.jp/sports/89ers/20180104_01.html
)に書いてある通り、天皇杯全日本バスケットボール選手権やオールスターの休みにヘッドコーチを交代させた。
 
そして、2018年1月20日の試合から、高岡大輔・新HCの下で試合をしているが、4戦4敗、通算5連敗で、苦戦が続いている模様。
 
以下の検討の素材として、2018年1月20日からの試合の4試合のスコアを書いてみる。
 
1月20日:仙台66-91山形ワイヴァンズ(以下「山形」)
1月21日:仙台70-84山形
1月27日:仙台50-71秋田ノーザンハピネッツ(以下「秋田」)
1月28日:仙台58-76秋田
 
比較として、前回のvs山形戦、vs秋田戦のスコアを書いてみる。なお、2017年の試合。
 
10月28日:仙台69-80秋田
10月29日:仙台70-83秋田
11月11日:仙台74-86山形
11月12日:仙台83-88山形
 
高岡HCの采配の哲学は、河北新報「<B2仙台>高岡新監督「まだまだ巻き返せる」 チーム再建に自信示す」(2018年1月9日。http://www.kahoku.co.jp/sports/89ers/20180109_01.html
)によると、「『誰が見ても分かるような守備力のあるチームにしていきたい。今必要なのは激しく体を接触させる守備を取り入れることだ。今季は1試合平均78失点だが、68失点にしたい』」とあり、それに表れていると思う。
 
Bリーグになる前なら、(守備を激しくやるんだな。いいことを言うな)と思っただろう。しかし、失点を減らすのは、ディフェンスをしっかりやるだけではなく、自チームの攻撃回数を減らすことでも可能である。筆者は『バスケットボールの教科書2 戦術と戦略の核心』(鈴木良和・著、ベースボールマガジン社、2016)からヒントを得た。
 
以下は仮定の話だが(実際に起こるわけがないが、単純化して記述。なお、筆者の記憶では前述の本に載っているが、エントリー時点では参照していない)、シュートはすべて2ポイント、オフェンスリバウンドはなし、フリースローはなし、4ピリオド(Bリーグではクオーターだが、本稿ではピリオドと表記)制40分の試合を、シュート成功率50%のチームAと40%のチームBが試合をやった場合とする。
 
これも仮定だが、(1)両チームともすべてのシュートを20秒で打った場合と、(2)15秒で打った場合のスコアは、以下の通りになる。
 
(1)A60-B48(シュート数はともに60本。Aチームは30本、Bチームは24本成功)
(2)A80-B64(シュート数はともに80本。Aチームは40本、Bチームは32本成功)
 
(1)の場合はAが12点差で勝ち、(2)の場合はAが16点差で勝ち。つまり、失点を減らそうとすると、接戦になりやすいということである。
 
ところが、vs山形戦では、失点が減っていないうえに得点まで落ちている。vs秋田戦では失点は減っているが得点差は減っていない。10月28日は11点差、10月29日は13点差、1月20日は21点差、1月22日は18点差。もちろん、対戦相手の山形、秋田がより充実しているのもあるが、仙台のヘッドコーチ交代は、結果から見れば実を結んでいるとは言えない(プロセスを厳密にチェックしていないので悪くなったとも断言できないが)。
 
vs山形戦は論外の結果なので、vs秋田戦をもう少し検討するが、以下、4試合の両チームのフィールドゴールの回数と、フィールドゴールパーセンテージを記す。
 
10月28日:仙台67回、43%(小数点第3位四捨五入)。秋田68回、50%
10月29日:仙台52回、50%。秋田56回、48%
 
1月20日:仙台48回、38%。秋田69回、41%。
1月21日:仙台54回、30%。秋田67回、46%。
 
高岡HCの意図通りのバスケはできていると思う。秋田のフィールドゴールパーセンテージは10月より下がっているし、ターンオーバーのせいもあるが、仙台の試投数も減っている。ただ、前述『バスケットボールの教科書2』にも書いてあると記憶しているが、試投数が減って、ターンオーバーが増えたり、確率が悪くなったりすると、勝つのが難しく感じてしまう。
 
筆者のラフな考察では、バスケットボールの王道は、相手にも時間をかけさせてタフショットや24秒バイオレーションを狙い、自チームは時間をしっかり使って高確率でシュートを沈めるということだが、現在の仙台では難しいのかもしれない。
 
4試合のラフな検討では、仙台のヘッドコーチ交代は実を結んでいないし、B1行きも難しいが(エントリー時点でワイルドカード首位の熊本と10ゲーム差。ただし同星なら直接対決の結果仙台が上回る)、どう来シーズンにつながる戦いをするのだろう?高岡HCの下でかなり勝たないとつながらない気がするが、それが難しそう。
 
*ウェブサイトは2018年1月29日アクセス。
**Sportsnavi バスケットボール(https://sports.yahoo.co.jp/basket/
)も参照。
 
***2018年1月30日追記。
vs山形戦の、4試合の両チームのフィールドゴールの回数と、フィールドゴールパーセンテージを記す。
11月11日:仙台73回、38%。山形69回、39%。
11月12日:仙台64回、48%。山形52回、58%。
*この2試合は、山形の3ポイントのパーセンテージが高かった(11日45.8%、12日60%)
 
1月20日:仙台68回、41%。山形75回、43%。
1月21日:仙台63回、43%。山形63回、44%。
 
山形の攻撃回数が減っているとは言えないところがうまく行っていないと言える一方で、仙台の攻撃回数はそれほど変わっていないことを追記する。