清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

記者さんの 仕事は写真を 撮ることか

ネットサーフィンしていたらこんな記事が。

 
日刊スポーツ「川淵氏バスケ買春写真撮った『記者の態度に疑問』」(2018年8月25日8時47分。https://www.nikkansports.com/sports/asiangames2018/news/201808250000199.html
)によると、「日本バスケットボール協会のエグゼクティブアドバイザーを務める川淵三郎氏(81)が25日午前にツイッターを更新し、ジャカルタアジア大会のバスケットボール男子日本代表4選手が歓楽街で現地女性相手に買春行為を行い、帰国処分を受けた件について『新聞記者のとった態度に納得がいかない』『同じ日本人として何故注意してやれなかったのか』『スクープ! と思っただけの記者の態度に疑問を感じる』などとつづった」という。
 
日刊スポーツの記事にある「ツイッターを更新」(訂正)は事実である。根拠はhttps://twitter.com/jtl_President/status/1033110084291710976
 
記事の紹介を続けると、「買春行為が発覚した20日、現地で会見を開いた日本選手団山下泰裕団長は(略)発覚した経緯について、朝日新聞社の社員が目撃し、写真を撮ったことで発覚したと明らかにした」という。これを見たら自称保守が「だから朝日はダメなんだぁぁぁぁぁ!!!!!」と叫びそうである。
 
しかし、マスメディアについてちょっとでも興味があれば、本文で引用した川渕さんのコメント、ならびに「自称保守」の「叫び」が正しいとは言えないことは理解できるだろう。
 
当ブログは本の紹介を目的とはしていないが、本エントリーを理解するのに適当な本があるので紹介する。少々古いが(2005年刊行)、『ご臨終メディア‐質問しないマスコミと一人で考えない日本人』(森達也/森巣博集英社新書。以下『ご臨終メディア』と表記)である。そのp109からの「写すべきか、助けるべきか- 自殺したピュリッツァー賞カメラマン」が参考になる。p110によると、「森巣 (略)飢えで倒れた少女を襲おうとしている『ハゲワシと少女』の写真。なんであのカメラマンは少女を助けないんだと問題になりました/森 ケビン・カーターは、その写真でピュリッツァー賞を受賞しました。ところがその後、批判や抗議が世界的に殺到してしまって……。森巣 自殺してしまった」とあり、その後共著者の考察がある。興味のある方は手に入れて読んでいただきたいが、写真を撮るか、他のことをするのか(川渕さんのツイートでは「『注意』」すること、『ご臨終メディア』の事例では少女を助けること)は難しい問題である。
 
川渕さんは以下のようには言っていないが、すなわち注意だけしてもみ消せ(報道するな)、とは言っていないが(そう解釈される余地がある)、記者にとって報道するのが仕事だとすると、今回のことで朝日新聞記者が写真を撮ったことをとがめるのは難しいと思う。