清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

法務大臣の コメント 意味がない

本エントリーで検討するのは以下のサイト。

 

法務省:森法務大臣コメント(カルロス・ゴーン被告人関係)ー令和2年1月5日(日)

法務省:森法務大臣コメント(カルロス・ゴーン被告人関係)ー令和2年1月9日(木)

法務省:森法務大臣コメント(2)(カルロス・ゴーン被告人関係)ー令和2年1月9日(木)

 

まず①。

我が国の刑事司法制度は,個人の基本的人権を保障しつつ,事案の真相を明らかにするために適正な手続を定めて適正に運用されており,保釈中の被告人の逃亡が正当化される余地はない。

の意味はない。手前味噌なことを言われても。

 

次は②。

ゴーン被告人は,裁判所から,逃げ隠れしてはならない,海外渡航をしてはならないとの条件の下で,これを約束し,保釈されていたにもかかわらず,国外に逃亡し,刑事裁判そのものから逃避したのであって,どの国の制度の下であっても許されざる行為である。

 え、以前はそういうことを言っていないんですけど。

韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件 - Wikipedia

にありますよ、

自民党・二階総務会長が朴大統領と会談した際に「加藤前支局長が自由に日本に渡航し、家族と会えるようになることを望む」という安倍晋三首相の意向を伝えた。

 と(

【本紙前ソウル支局長公判】「司法の判断に委ねるしかない」と朴槿恵氏 訪問の二階氏は「家族と会えるように」との首相の意向伝える - 産経ニュース もご一読)。つまり、「海外渡航してはならないとの条件」(②)があった事件においてかつてはそれをないがしろにしたのである。こういうのを普通の人は「ご都合主義」という。もちろん、逃亡を許す趣旨ではないが、突然立場が変わったのでびっくりした。

 

 我が国の刑事司法制度は,個人の基本的人権を保障しつつ,事案の真相を明らかにするために,適正な手続を定めて適正に運用されている。

 といくら当事者(検察庁法務省)が書いても、(へぇ、そうなんだ)と思うお人よしっていないと思うぞ。

 

筆者に言わせると、①~③が「その多くが,抽象的なものや,趣旨が判然としないもの,根拠を伴わないものにすぎない」(③)が、続けて③を検討する。

 

 有罪率が99%であり,公平な判決を得ることができないとの批判がなされたが,我が国の検察においては,無実の人が訴訟負担の不利益を被ることなどを避けるため,的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に初めて起訴するという運用が定着している。また,裁判官は,中立公平な立場から判断するものである。高い有罪率であることを根拠に公平な判決を得ることができないとの批判は当たらない。

 とあるが、「我が国の検察においては,無実の人が訴訟負担の不利益を被ることなどを避けるため,的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に初めて起訴するという運用が定着している」の根拠は何だろう? 起訴便宜主義というのは世界に日本しかないのか? 「裁判官は,中立公平な立場から判断する」が日本に特に当てはまる根拠もない。一方、判検交流のみが盛んでアンフェアな可能性を指摘した本を読んだことがある。『検証・最高裁判所―法服の向こうで』(毎日新聞社会部、毎日新聞社、1991)の筆者のアマゾンレビューを参照。

https://www.amazon.co.jp/review/R3AY606F2TBMBF/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4620308358

 

 取調べが長時間であること,弁護人の立会がないこと等取調べ全般に対する批判がなされたが,そもそも,我が国においては,被疑者に黙秘権や,立会人なしに弁護人と接見して助言を受ける権利が認められている。

 に至っては完璧にズレている。「弁護人の立会がない」ことが問題なのに「立会人なしに弁護人と接見して」と論点をずらしている。

 

ゴーンさんの批判が「その多くが,抽象的なものや,趣旨が判然としないもの,根拠を伴わないものにすぎない」かどうかはわからないが(未検討ゆえ)、日本人である筆者としては、森法務大臣の一連のコメントがそれに該当することを、凄く恥ずかしく思った。