今日の読売新聞統合版「気流」(投書欄)に「『高卒』と偽り免職 同情」(投稿者略)と題した投書が載っていた。それによると、
市は本来大卒である職員を高卒の処遇で約20年間も雇ってきた。男性は高卒者の就業機会を圧迫したが、市に直接的な損害はなく、処分は重すぎるのではないか
とのこと。
以下は私見であるが、国は地方公共団体があえて「高校卒業程度」という学歴を指定しているのは、一種の政策的配慮のはずである。それからすると、「男性は高卒者の就業機会を圧迫した」だけで十分問題である。従って、処分は重すぎない、妥当なものだと考える。なお、「高校卒業以上」にすべきかは全く別の問題である。
なお、蛇足だが、似て非なるものとして、朝鮮人だから採用後に採用を取り消された、「日立差別反対運動」の話である(
在日朝鮮人問題とは - コトバンク 参照)。朝日新聞デジタル「在日韓国人、就職差別の提訴から半世紀 今の日本は?」(有料会員記事。2020年12月8日 15時)
によると、「小学校から日本の公立校に通い、日本名『新井鐘司』を使ってきた」人の話で、採用後の採用取り消しを労働基準法第3条の「国籍」「を理由と」する「差別的取扱」として「解雇は無効という勝利判決を得た」(コトバンク「在日朝鮮人問題とは」から引用)という話で、偽った(実際は名前を偽ったわけではないが、本名ではないのも事実)としてもせいぜい求職者の能力と関係ない名前であり、「通称名を使用せざるを得なかった事情」(在日本大韓民国民団「日本を変えた『日立闘争』…朴鐘碩さん定年へ」(2011年5月11日。民団新聞。
https://www.mindan.org/old/front/newsDetailad9f.html )があったということである。